Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash 未来を予測するのは困難なことだ。だが人生は未来にしか続いていかず、改善は未来においてしかなし得ない。そのため僕たちは、手元の限られた材料から未来を予測し、そこから逆算して現在の行動を決定する。それは僕たちの普遍的な振る舞い方だと思うけれど、学術と実業の2つの領域に足をかけている立場からは、両者の未来予測には質的に異なる部分があることをまま感じる。学者、特に社会科学者が、できる限り確からしい情報を集め、それらを根拠に論理的に導ける、すなわち科学者ならば誰もが同じ結論に至るであろうことを述べるのに対して、実業の世界では、競合に対する競争力を発揮するために、自分しか思いつかないこと、手元の材料では言い切れないことの方に軸足を置いた予測をしがちだ。実業者に見られるこうした「暗闇への跳躍」は、イノベーションの源泉だと考え