インタビューと文章: くいしん 写真:藤原慶 街には、そこに住む理由になる飲食店がある。そんな飲食店は、不思議なほど街がもつ特徴や色合いを具現化している。店を営む店主の目を通して、街の魅力に触れてみるのが本連載【その街に住む理由になるお店】です。 ◆◆◆ 東京、谷中。 多くの寺や谷中墓地など、歴史と伝統を感じさせる穏やかな空気を守りながら、一方で若者が何かを表現できる余白もしっかりと残す街です。 そんな谷中で、大正時代に建てられた古民家を改装し、谷中で暮らす人々と訪れる人の関わりを大切にしようとするカフェがあります。 「散ポタカフェ のんびりや」。黒電話や古時計など、レトロな骨董品が飾られた店内で、女将のmoshaさん自慢の日本酒を堪能することができます。 moshaさんと夫のきんちゃんがつくり上げるのんびりやは、開けっ広げ。いつも、通りに向かって開いています。軒下にはいつも人が集まり、店