サンタのこない子どもたち 普段、悪いことばかりしていると、たまにいいことをしたくなることがある。自分にとってそれはクリスマスの時期で、そのときどきでいろんな団体に寄付している。この数年、特に気にしているのが「サンタのこない子どもたち」のことだ。 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、子どもの貧困率は2018年の新基準で14.0%。つまり7人に1人の子どもが貧困線(年間可処分所得が127万円以下)の家庭に育つということだ。数字ですべてのことが語れるわけではないけれど、こうした家庭では、プレゼントを買ってもらえないことよりも、「なぜ、自分の家にだけサンタが来ないのか」について説明できないことのほうが苦しい、そんな状況もあるんじゃないかと思う。 そういう現実があることを知ってからは、毎年この時期に、学生たちにもこの話をするようにしている。というのも僕らの研究課題は主に消費社会を対象にしている