商店街を、起業や再就職を目指す若者らの職業訓練の場に活用する動きが広がっている。大阪府や京都市などが国の緊急雇用創出基金を用いた事業として実施。空き店舗を使って飲食店や雑貨店などを起業などに向けたトレーニングとして運営し、期間の終了後、商店街内に新規店をオープンさせる訓練生もいる。高齢化して空き店舗が目立つ商店街で、どこまで軌道に乗せることができるのか、地元の人たちも活性化への期待を込めて見守っている。(梶多恵子) 「お一つどうですか」。大阪府の京阪・守口市駅近くの三和商店街で、上田裕紀さん(29)がドーナツの試食を勧める。大阪市内の小学校で、講師として支援学級を担当し、「障害者が働けるカフェを開きたい」と思い立った。学校を辞め、5月から、府の委託業者が空き店舗に開いたドーナツ店で訓練生として働いている。 店長と訓練生4人で、製造販売やメニュー作りに知恵を絞る。集客は難しいが、上田さんは、