中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 ビジネスの現場でよく用いられる言葉のひとつに「ビジョン」という言葉があります。 「うちの組織には、ビジョンがない」 「うちの課長は、ビジョンをもってない」 のように・・・。 たいていは、あまり望ましくない事態が生じたときに、この言葉が用いられます。しかし、一般に広く用いられている、この言葉も非常に曖昧に用いられています。 先ほど、 「うちの組織には、ビジョンがない」 「うちの課長は、ビジョンをもってない」 という2つのセンテンスを出しましたが、これはニアリーイコール「ビジョンがない=イケてない」くらいの意味しかないような気もするのです。 つまり、 「うちの組織は、イケてない=ビジョンがない」 「うちの課長は、イケて
これはどこの会社のものだろうか? 答えは下の方でかくが、見る前に少しだけ考えてみていただきたい。 ・・思いつきましたか? では、第二問。次のスローガンと企業理念は、どこの会社のものか。 「世界人類との共生のために、真のグローバル企業をめざす○○○○」 企業理念 : 世界の繁栄と人類の幸福のために貢献すること そのために企業の成長と発展を果たすこと これをぱっと見て、いや、たとえ三度繰り返し熟読してみても、どこの企業のものか推測するのは難しいだろう。どこの会社でも、当てはまりそうな気がするからだ。世界人類とかグローバルとか、言葉は大上段だから、中小零細企業ではあるまい。だが、表だって社会との「共生」を目指さない、つまり社会と敵対的であろうと公言する企業がいるだろうか? グローバルをめざす日本企業は、今や過半数だろう。成長と発展だって、どの会社だって望むはずである。この標語と理念なら、ほとんど
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