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  • 抗体医薬品の開発を後押ししたいのはわかるけど。薬作り職人のブログ

    先日、このようなニュースを見かけました。 抗体医薬品開発へ新拠点整備 経産省、13年度予算案に26億円計上 - SankeiBiz(サンケイビズ) 抗体医薬品開発へ新拠点整備 ... ヒトの免疫機能を活用した「抗体医薬品」の開発を後押しするため、経済産業省は製薬会社や機器メーカー、大学などを集めた新拠点を整備する計画を進めている。がん細胞など標的となる病原体に直接作用することから、副作用が少ないとされる最先端の薬だが、海外メーカーの製品が大半を占めているのが現状。経産省は産官学の連携効果を生かし、5年以内をめどに新薬開発の技術確立を目指す。 ただ、国内メーカーの参入は遅れており、経産省は製造技術の向上を図るため、新拠点の整備を計画。2013年度政府予算案に26億円を計上した。 抗体は、体外からの異物を認識する働きをもつタンパク質です。抗体は、タンパク質の構造(の一部)を認識して、強く結合す

  • いろいろな変化を楽しむために。薬作り職人のブログ

    新年、あけましておめでとうございます。年も「薬作り職人のブログ」をよろしくお願い致します。 昨年の最後の更新で、今年は「いろいろな変化を楽しめる1年にしていきたい」と書きました。仕事や身の回りにある変化を楽しむためには、どんなことが必要でしょうか。 必要なことは、とにかく変化を把握できる能力をつけることです。まず、物事が変わったのかどうか、変わったのならどこが変わったのか、いつ変わったのか、を把握して、自分がどのような状況にいるのがを理解すること。これが、変化を不安ではなく楽しみに導くための準備として必要です。 そして、変化を把握するためには「枠組み」を頭のなかに仕込んでおく事が大事です。自分が関わるであろう様々なことについて、現状はどのような枠組みになっているのか。この枠組を理解することで、「どこが」「いつ」「どのように」変化したのかを知ることができます。 枠組みを作るのに役立つのは、

  • 「モノ」が発見されるということ。薬作り職人のブログ

    科学の世界では、「概念」と「実体を持ったモノ」が登場します。「概念」は、さまざまな発見や実験事実から、頭の中で抽象的に考えられた「モデル(理想像)」です。一方、「実体を持ったモノ」は、頭の中だけでなく実際に存在することが実験的に示された「モノ」です。 「概念」だけであっても、科学技術への応用などを行うことは十分に可能です。数学的表現などで概念が具体化されていれば、それを元にして現実にほしい製品へと落としこむことはできます(それがエンジニア仕事ってことです)。 しかし、その概念が提示する「モノ」が発見されると、概念だけだった時よりもできる事は爆発的に増加します。「モノ」というのは、いろいろと「いじる」ことができるからです。また、こうして新しくできるようになった研究から、全く新しい概念が生まれたりすることもあります。 そんな「概念」と「モノ」の関係を薬作りの世界で見てみましょう。例として取り

    SavingThrow
    SavingThrow 2012/07/09
    "「概念」だけであっても科学技術への応用を行うことは十分に可能ですが、その概念が提示する「モノ」が発見されると、概念だけだった時よりもできる事は爆発的に増加します。細胞の表面に存在する受容体の例。"
  • 極大・極小の世界への旅ーPowers of tenとThe Scale of the Universe 2ー薬作り職人のブログ

    「Powers of ten」という、有名な科学映画があります。読者さんの中には、見たことある方も多いのではないかと思います。 「Powers of ten」は「10のべき乗」を表す言葉です。10のべき乗とは、10の2乗(100)、10の3乗(1000)、10の4乗(10000)、、、のように、10を何回か掛け合わせて得られる数のこと(マイナスのべき乗は、10分の1,100分の1、1000分の1、、となります)。この映画を見ると、「自分の視野を10倍ずつ広くしていくとどうなるか」「自分の視野を10倍ずつ狭くしていくとどうなるか」ということが、ひと目でわかります。具体的には、10の24乗メートルから10のマイナス16乗メートルまでの世界を9分間で旅することができます。 大きいスケールでは、公園、町、国、大陸、地球、太陽系、恒星系、銀河系、銀河団、宇宙の大構造。。小さくなる方は、皮膚、細胞、染

    SavingThrow
    SavingThrow 2012/04/26
    "Powers of ten。The Scale of the Universe 2。極大の世界(10の27乗)から極小の世界(10のマイナス35乗)まで旅することができます。http://htwins.net/scale2/lang.html"
  • 内輪のフィルター。薬作り職人のブログ

    一つの部署に長いこといると、「内輪のフィルター」という厄介なものが身につきます。「内輪のフィルター」とは、自分の知ってる範囲内、理解できる範囲のものしかものが見えなくなり、判断できなくなること。「内輪」という言葉がつくのは、このフィルターが「内輪の人としか議論しないこと」によって構成されるから。 このフィルターの存在を、自分自身で気づくことは出来ません。身内ではない人と、お付き合いではない気の議論をし、徹底的に批判されることで、はじめてこのフィルターの存在を知ることが出来ます。内輪のフィルターが外れると、自分が理解していると思い込んでいることが、実はまだまだ不十分なものであることがわかります。そして、自分の回りにいる人のほとんどが、同様に不十分な知識しか持っていないということもわかります。 不十分な知識しか持っていないこと自体は、それほど問題ではありません。不十分な知識しか持っていなけれ

  • NHKスペシャル「夢の新薬が作れない~生物資源をめぐる闘い~」。薬作り職人のブログ

    今日放映されたNHKスペシャル「夢の新薬が作れない~生物資源をめぐる闘い~」は、非常に考えさせられるところが多い番組でした。 番組の内容を簡単にのべると 「新薬の成分・原料として必要な生物資源について、先進国(新薬メーカー側)と途上国(生物資源がある国)との折り合いがつかない。具体的には、新薬材料の需要増による生物資源の乱獲、新薬から得られる利益配分、などについての一致点が見いだせない」 ということ。 番組の簡単なまとめは、以下のページにまとめられています。 Nスペ「夢の新薬が作れない~生物資源をめぐる闘い~」実況 新薬開発において、生物資源は昔から大きな役割を果たして来ました。伝統的に用いられてきた薬草がヒントとなり、そこから得られた成分が薬となる、というのは、新薬発見の王道です。 20世紀後半になると、有機化学合成の技術が発展し、このような生物資源由来ではない、純粋な化学合成による薬が

  • 薬の値段とドラッグラグ。薬作り職人のブログ

    ドラッグラグという言葉があります。 世の中には、海外ですでに承認されていても、日での承認が降りていない薬(審査が遅れているもしくは臨床試験すら行われていない)というのがあります。海外では手にはいるのに、日では手に入らない、数年~十年くらい遅れて、ようやく手に入る、という状態が、一般的に「ドラックラグ」と呼ばれているものです。 新しい抗がん剤や、患者数が少ない希少疾患に対する薬(オーファンドラッグ)などに、ドラッグラグが多く生じています。これらの薬剤は、個人輸入という形で手に入れるしかなく、患者さんに大きな経済的負担・精神的負担をかけています。 製薬会社としても、海外からのこれらの薬剤の導入に手を出したいのですが、国内での臨床試験の費用と薬から得られる利益を天秤に掛けると、それなりの補助がない限り、なかなか手をだすことができません。薬の開発費の殆どは臨床試験と安全性の確認に費やされている

    SavingThrow
    SavingThrow 2010/02/10
    "製薬業界は世界的に新薬が生まれにくくなってる(医薬品クライシスという本が詳しい)新薬に頼らざるをえない薬価制度で、中小製薬メーカーは、生き残りのため、これまでと全く違った方法論をとらないといけない。"
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