またゴキブリみたいな話だけど、今度は人間。だいぶ前の伝聞(ただし本人からの)なので詳細は保障できない。 それが起こったのは、彼が株式市場を模した実験をしたときのことだ。彼は、某有名工科大学の学部生を相手に、翌日行われる市場模擬実験の説明をしていた。少数精鋭で有名で、日本の某T大の学生も霞んでしまうような学生が集まっている大学だ。説明の途中で、彼はランダムに生成したある株式のリターン(配当)の変動を、参考として学生に見せた。「アセットの各期ごとのリターンは、このような感じに時間を追って変化していきます....」 ここで、一日間を置いたのが悲劇(?)の始まりだった。結果的には、この実験は大失敗に終わることになる。彼のミスは、次の日乱数を発生させるときに同じシードを使ったことだ。この一日の間に、ある学生が、例として生成されたリターンから元のシードを割り出していたのである。 次の日、この学生は将来