慶應義塾大学の細谷です。今日は、他の先生方とは違った視点で東アジアの国際関係を考えたいと思います。 新潟県立大学が新しく大学院を創られたということで、新潟県という場所で国際関係を考える方が増えるのはたいへん嬉しいことです。いま世界は流動化しています。また、これまでわれわれ日本人は、国際政治をある意味ではあまり真剣に考えなくてもよい時代におりましたが、それが変わりつつあります。 冷戦時代、国際政治は非常に静的で固定的なものでした。つまり世界は東西対立の中で分断されており、日本が何かしても、あるいは何もしなくても、この状況に大きな変化が起きる可能性は少なかったんですね。しかし現在、毎年のように情勢が変わっています。「イスラム国」の問題をめぐってシリアは大変な状況になっています。そして多くの難民が国外に出ており、ヨーロッパでは大きな問題になっています。 日本は今年、伊勢志摩サミットを主催します。