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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/Mukke (3)

  • 「帝国」の想像力――『オスマン帝国と立憲政』『ロシア・シオニズムの想像力』の射程 - Danas je lep dan.

    去年の年末から今年の初頭にかけて出版された2冊の大著を,レヴューしようしようと思っていたのだけれどずるずると書けずに結局今頃レヴューするという。 藤波伸嘉『オスマン帝国と立憲政』は,20世紀初頭,バルカン戦争でヨーロッパ領を喪失する直前のオスマン帝国における政治論議を丹念に分析し,そこから「オスマン的公共圏」の有様を描き出している。オスマン帝国と立憲政 ?青年トルコ革命における政治、宗教、共同体?作者: 藤波伸嘉出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2011/12/19メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る 興味深いのは,当時の帝国における立憲政をめぐる議論において,「正教会の特権」が主要な問題の1つになっていたということ。つまり,個人主義的な立憲主義か,共同体的な立憲主義かという対立が問題となっていた。最近の用語でいえば微妙に違うかもしれないけれどリベラルとコミ

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    Schuld 2013/10/29
  • 「ハプスブルク」を歴史の中に位置づけて理解するために――『ハプスブルク史研究入門』を読む - Danas je lep dan.

    「ハプスブルク」という言葉で,なにを思い浮かべるだろうか。多くの人が思い浮かべるのは,おそらく帝都ヴィーンの豪奢な宮廷文化であろう。「オーストリア=ハンガリー」と聞けば,あるいは第1次世界大戦に至るまでのヨーロッパ政治史における黄昏の大国がイメージされるかもしれない。けれどもそれらのイメージだけでは語り尽くすことができない複雑さを併せ持つのが「ハプスブルク」という対象であり,先日出版された『ハプスブルク史研究入門』は,その対象にアプローチするための最良の入門書である。ハプスブルク史研究入門―歴史のラビリンスへの招待作者: 大津留厚,河野淳,岩崎周一,水野博子出版社/メーカー: 昭和堂発売日: 2013/05メディア: 単行この商品を含むブログを見る 書は時代別で4部構成になっている。第I部「近世前期」(1-58頁),第II部「近世後期」(59-116頁),第III部「近代」(117-1

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    Schuld 2013/06/24
  • ethnicとnationは対立概念でも何でもない - Danas je lep dan.

    この前書いた, アイヌの運動を「利権狙い」と決めつけ,彼らを「自称アイヌ」と呼んで恥じない小林よしのりの醜悪な姿 - Danas je lep dan. への補足的なものを書く。 ここで取り上げたいのは,小林の 「nationが民族なのであってethnicは部族に過ぎない!」 という論法。 少しでもナショナリズム論を囓っている人間にとっては,小林の用いた論法は と一瞬で思えるようなシロモノなのだが,そういう分野に馴染みのないひとも多いだろうと思うので,どこがおかしいのかをちょっと噛み砕いて説明する。 まず,小林が名詞として用いている「ethnic」という語は形容詞である。辞書を引けば,「民族の」という意味が出てくると思う。ではnationalやracial*1といった他の語と比べてどういう意味が付与されているかというと,それは民族や国民を規定する要素の中でも,文化的な同質性(言語,習慣など

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    Schuld 2009/10/04
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