は し が き 法とは、国家による強制力をともなった社会規範を意味します。「社会的生物」であるホモ・サピエンスが、統治権を君主から民衆へと移すために、想像を絶する人的物的犠牲を経て獲得した成果であり、また、食うに困らず、他人から不当に脅かされない程度の平穏な生活基盤を確保しつつ、さらには円滑で誠実な経済的取引を実現しようとして、延々と蓄積させてきたインフラです。まさしく、霊長類ヒト目ヒト科ヒトが「人間」たりうるための、英知の結晶なのであります。 しかし、しょせん法は、私たちの知らないところで誰かが勝手に作ったもの。裁判を執り行う司法権は、司法試験で満点を取らずに合格してしまった不完全な人たちも一緒に混じって運営されているもの。そんな欠陥だらけで、どこの馬の骨ともわからん連中で寄ってたかってデッチ上げたシステムは、本当に手ばなしに信用できる代物でありうるのか。 ……時には、それぐらいの引