かつてウィスコンシン州の小さな町に住んでいた頃―一九六八年のことだった―わが家の長男は太っている故にかオリエンタルであるためか、人目につく存在であったらしい。親しい友人や隣人たちから、私はこの子のことについて、よく注意を受けた。 「前菜に山のようなサラダを食べさせるのよ。お昼ごはんに温かい料理なんて作ってやる母親の方がまちがっているわよ」 「いいじゃないの、この人は乳を飲ませる赤ん坊がいて、自分だって食べたいのよ。それよりもあの子に別な楽しみ、スポーツの楽しみを教えるのがいい」 「とにかく、あまりおいしいものを作っちゃあだめよ」 友だちの会話は、太った子を細くするために、食生活の改善を勧めるものだった。ある日、私は近所の主婦から、真剣な説得を受けることになった。その人は長身で美しく、東部の生れであると語るその物腰にも、気品が滲み出ているような女性だったが、自らのことはおせっかいであるとへり