48グループ「大転換」の可能性 エピソード2の途中まで、かなり長い時間をかけて日韓練習生のランク分け審査がなされた。この記事では48グループのメンバーに注目してきたが、全体的には誰の目から見ても韓国側の練習生とその実力は段違いだった。 秋元康の喩えを使えば、プロ野球の2軍チームと高校野球の選抜チームが試合をし、プロ2軍が圧勝している状況だと言える。しかも、48グループのメンバーの多くは持ち曲でチャレンジしてわけだから、金属バットを使っているようなもの。それなのに惨敗だ。もちろんそれは事前に十分に予想されたことではあるが、あらためて証明されてしまった。 そんな残酷とも言える光景を見せつけられると、さまざまなことを考えさせられる。あくまでもエピソード2までではあるが、やはりポイントとなるのは秋元康の戦略と、今後の48グループについてだ。 AKBを高校野球に喩えるくらいだから、48グループが惨敗
松井珠理奈と宮脇咲良 こうして続いた最初のパフォーマンスで、48グループの多くは酷評され続けたが、NMB48の白間美瑠(B)やAKB48の高橋朱里と小嶋真子、岩立沙穂(各B)など、上位にランクされる者もいた。 なかでももっとも高く評価をされたのは、自身でジャズアレンジした「ダンシング・ヒーロー」を歌った竹内美宥(AKB48)だった。 その歌唱力が評価されてAランクとなった彼女は、過去7回参加したAKB選抜総選挙ですべて「圏外(101位以下)」だ。つまり人気がない。日本ではくすぶっていた実力が、場所を変えて認められたことになる。 こうした日本勢の挑戦のハイライトは、やはり48グループ上位の人気である松井珠理奈と宮脇咲良だった。 先に登場したのは松井のほうだった。 彼女が選んだのは、板野友美のソロ曲「Dear J」。満面の笑顔で登場し、ひとりで堂々とパフォーマンスをした。その振る舞いは、非常に
エピソード1と2では総勢96名がパフォーマンスを繰り広げたが、この段階の結論を言えば日本勢の惨敗だ。48グループの多くは自信満々に演目を披露したが、トレーナーから出てくるのは酷評ばかりだ。しかも、その多くが持ち曲だったにもかかわらず。 たとえばAKBでは歌唱力が評価されていた小田えりな(総選挙60位)と、AKBダンスコンテストで優勝した中野郁海(圏外)はいっしょにパフォーマンスをしたが、その最中に複数のトレーナーが顔をしかめるほど。 なかでも、KARA「ミスター」などの振付師であるペ・ユンジョンは、かなり厳しく意見する。 「彼女(小田)の歌い方は古い」 「正直、あなた(中野)がダンスコンテストで優勝したとは思えない。こんなレベルのままでは、ステージに立ち続けることはないでしょう」 審査は、このようにシビアに続いていった。 「違うよもう。文化が……」 本村碧唯や今田美奈などHKT48の7人は
『PRODUCE 48』〜K-POPへの挑戦 しかし最近、こうした状況に大きな変化が生じつつある。 48グループのメンバーが、韓国でK-POPにチャレンジしているからだ。高校野球の選手たちが、プロ野球に挑んでいるような状況だ。 その姿が観られるのは韓国のケーブルテレビ局・M-NETの『PRODUCE 48』というリアリティ番組だ(毎週金曜日・6月15日~8月31日予定・全12回/日本でも放送中)。毎回2時間半ほどの番組には、秋元康も日本側のプロデューサーとして正式に協力している。 その内容は、日韓96人の若い女性たちが、2年半だけ活動する12人グループのメンバーを目指して競い合うというもの。結果は、「国民プロデューサー」と呼ばれる視聴者の投票によって決まる。このサバイバルにAKBやSKEなどのメンバー36人が参加している。 この『PRODUCE 48』には、『PRODUCE 101』という
K-POPはプロ野球、AKBは高校野球 「K-POPがプロ野球だとしたら、AKBは高校野球かもしれない」 秋元康は、過去にこのような発言をしたことがある。 それは、けっして卑下でも自虐でもなかった。みずからがプロデュースするAKB48グループを冷静に分析したうえでの認識だ。 実力(歌唱力やダンス)ではK-POPに劣るが、人気では十分に比肩する──そのように自己分析していたのである。 なるほどそれはうなずける。 日本において、高校野球の人気はいまだに絶大だ。高温注意報の出る炎天下の甲子園で、若者たちががむしゃらに白球を追いかけ、ピッチャーは連投する。負ければ終わりのサバイバルが2週間も続く。 そうした制度では、かならずしも実力が結果に反映されるとは限らない。プロではありえない過酷なゲーム設定は、多くの不確定要素(運)を生じさせるからだ。 教育としてはデタラメで野球としては時代遅れなそうした状
株式会社メルカリおよび株式会社メルペイはじめとしたメルカリグループ(以下メルカリ)の政策企画分野の情報発信媒体として、「merpoli」を今日2018年8月1日開設しました。 株式会社メルカリは、2013年の創業以来「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションとして掲げてきましたが、2018年6月19日に上場を果たし、これまで培ってきたテクノロジーとCtoCマーケットプレイスの経験を活かし、これまで以上に新たな社会的な役割を担っていかなければならないと考えているところです。 フィンテックなどの新たなビジネス分野は、世界各国で経済全体の成長エンジンとして期待されており、日本においても、先日政府から公表された「未来投資戦略2018」において、これらの業界を後押し、社会課題の解決や国全体の経済成長につなげていくための施策が多く盛り込まれました。 メルカリでは、このような社
私たちは道徳ピルを拒めない? 山積している数々の社会問題は、古くから大なり小なり存在してきたわけだが、いつの時代にも、どの場所でも、せめて次世代には解決するようにと「教育」には大きな期待が寄せられてきた。 子どもたちを理性的に対処できる人間に育てるために、問題の所在をしっかりと認識する知性を身に付けさせることや、他方では、計算ずくの利己的な考えを持った人間に育たないように、他者を信頼し、思い遣り、助け合う道徳感情を養うことを目的に、あの手この手と方法を変えながら教育は実践されてきたのである。 そうした教育の効果について、あれこれ言うのは簡単なことではない。アームストロングのように「素晴らしい!」とは歌い上げられないこの世界でも、本当は教育のおかげで、ずっとマシな世界になったのかもしれないからだ。 とはいえ、多くの問題を解決するのに、教育の効果をもっと引き出す方法があるとしたら。そして、その
認知能力を高める「スマート・ドラッグ」もある 実は、道徳ピルのなかには、これまで見てきた協調性や共感を増進させるのとは別のタイプのクスリもある。知性を改善するクスリだ。「スマート・ドラッグ」とも呼ばれる。 一般に、集中力や注意力、記憶力などの認知機能を増進させる効果を持つ薬物を指す。その代表格がリタリン(物質名:メチルフェニデート)だ。 リタリンは、そもそもはADHD(注意欠如・多動性障害)の症状を緩和するための薬物で、ドーパミンなどの神経伝達物質を活性化すると言われている。注意欠如の症状を緩和することは、注意力を補うとも考えられるから、障害のない健康な人が飲めばいっそう注意力が増すと信じられるようになった。 米国では、多くの学生が成績向上や適性試験をパスするために、リタリンを治療以外の目的で服用しているとの報告がある。リタリンを服用すれば、大学進学適性試験(SAT)の点数が100点以上U
本当に、服用者が〈道徳〉的になった 「道徳ピル」は、いまやSF小説の中の出来事では決してない。いくつかの実験によって、実際にその効果が確認されている。たとえば、ゲーテ大学の経済学者Michael Kosfeldらの研究グループは、2005年に神経ペプチドである「オキシトシン」は、闘争欲や恐怖心を鎮め、他者との親和的で協力的な行動を促進する作用があるという研究結果を報告している。 この研究結果は、スイスのチューリッヒで、健康な男子大学生58人を対象に行われた実験から得られたものだ。 この実験では、半数の29名が資産を持つ「投資家」、残りの29名が資産を運用する「信託者」の役割に分かれる。投資家は二つのグループに分けられ、一方のグループには本物のオキシトシンを、他方の資産家グループには偽物を、それぞれ鼻から吸引させた。 その結果、本物のオキシトシンを吸引した投資家のグループだけが、なんと全額に
飲むと他人への信頼感が増す、服用すれば共感能力が向上する、使うと認知能力が改善する……そんな、人間のモラルを向上させるクスリ「道徳ピル」。実験レベルでは効果が実証され、すでに一部では密かに使っている人々もいる。海外には、誰もがこうしたクスリを服用することを義務化せよ、と主張する論者もいる。これは、人類を救う希望なのか、それともディストピアへの道を開く存在なのか--。 科学技術で「道徳的」な人間を作り出す 他者への思い遣りや配慮、協調的な関係の構築と維持は、人間が生活を送る上での不可欠の要素だ。私たちは、誰もが健全な社会関係を築く資質を備えている。 とはいえ、それはいつも十分に発揮されるとは限らない。事実、民族紛争や宗教対立、飢餓、内戦、ヘイトクライム、性差別等々、さまざまな問題が山積している。ルイ・アームストロングは「なんて素晴らしい世界なんだ(What a wonderful world
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