エフゲニー・モロゾフ 「シリコンバレーの解決主義」の読み方 竹内雄一郎 ITの世界では、開発者つまりエンジニアが普遍性を勝手に想定することが多い。国境や地域差といったものはたいして重要視されず、まったく同一のサービスが、当たり前のように全世界でロールアウトされる。InstagramだってTwitterだって、サービスの内容を国ごとに細かく変えたりはしていない。ITエンジニアはすでに世界を本質的にはフラットなものとして捉えており、それは地域ごとの個別対応にはコストがかかるから、といった消極的な理由からだけではない。ITエンジニアの方法論や考え方、より正確に言えば彼らのメッカであるシリコンバレーの方法論や考え方で世界中を覆い尽くすことが、紛れもなく正しいことだと考えているのだ。シリコンバレーの起業家はすぐに自分たちのアイデアが「世界を救う」などと口にする。それは半分は方便だが、もう半分は本気だ