政策論が教室の中での経済学と違う点の1つのは、採用されてはじめて意味があるというところにある。どんなに論理的に整合的で高尚な提案であっても、実際の政策として採用されなければ、実践的には無意味である。この点を踏まえていない議論は、「床屋政談」でしかあり得ない。このことを逆からみると、経済政策の運営に関しては、その内容(コンテンツ)とともに、その過程(プロセス)が重要であるということになる。 すなわち、政策決定の過程が、系統的に整合性をもって有益な提案を拾い上げ、そうでない提案を排除するようなものとなっているかどうかが大切である。そうした機能をもつ政策決定過程が整備されていなければ、たまたまの担当者しだいで、ときに素晴らしい政策が打ち出されることがあるとしても、反対にとんでもない政策が実行に移されたりしかねず、少なくとも政策の一貫性は確保され難くなる。現在の民主党政権の最大の問題点は、こうした