抗てんかん薬による治療をお勧めすると、薬の副作用をおそれ、服薬を躊躇される方がときどきみえます。 たしかに、薬に副作用がつきものです。しかも、てんかん治療の場合、年単位の抗てんかん薬服用がほとんどですから、副作用を心配されるのも無理はありません。 しかし、治療をはじめる前から副作用のことばかり心配するのも、ちょっと、考えものです。 なるほど、薬は一種の「毒」です。少なくとも、生体はそのように認識しています。その証拠に、肝臓は薬をなんとか「解毒」しようとします。 しかし、一方で、薬はそうした生体防御をくぐり抜け、何らかの効果、薬理作用を発揮します。そして、一般的には、薬理作用による利点の方が副作用による欠点よりも上回ります。薬の効果によって病状が改善し、生活の質(生命予後も含め)も向上、一方で、副作用は無視できるほど少ない、といった場合がほとんどです。だからこそ、多くの薬が治療薬として生き延