仕事とチャンスについての、僕の経験と結論 「チャンスを掴め」とよく言う。 でも、実際に経験してきた身から言うと、この言葉には大事な注釈がひとつ抜けている。 チャンスは、チャンスの顔をしてやってこない。 宝くじみたいに光って落ちているなら、誰も苦労しない。実際のチャンスは、もっと地味で、もっとひどい顔をしている。 なにしろ、僕の人生を決めたチャンスは、時給430円のバイトの「不採用」だった。 エイベックスという会社は、そこから始まっている。 雨の夜、僕だけ置いていかれた大学生の頃、家の近くの駅ビルの地下に、20坪の貸しレコード店がオープンした。 若い頃の僕はクルマに狂っていたけど、その頃には熱の在り処が音楽に移っていた。ダンスミュージックのレコードを買い漁って、聴きまくっていた。だから開店日にその店を見に行って、すぐに思った。 品揃えがひどい。これじゃ客が来るわけがない。俺にやらせてほしい。

