本コラムではこれまで「国民階保険制度」「医療機関へのフリーアクセス」「医師数」「医師の収入」など様々なテーマについて、皆さんと議論してきました。その際、必ず何らかの形で、「増大する医療給付費をどうするのか?」が1つの論点になっています。 医療給付費は、名前は似ていますが、医療費とは異なります。医療費とは、その名の通り、医療に要する費用全体を言います。一方、医療給付費とは、医療費から患者の自己負担分を除いたもの。つまり、医療に投入する国からの公費(税金)と保険料の合算額です。 医療費の増大は、もちろん大きな問題です。しかし、より正確に言えば、国家財政が悪化の一途をたどる中でとりわけ問題視されているのは、医療給付費の増大です。医療給付費の増大への対応としては、国の歳入を増やすか医療への支出を減らすかしかありませんが、後者の1つの方策としてしばしば浮上するのが、「混合診療の解禁」です。 これまで