TwitterのTLでもMulticsの話がぽちぽち出るようになったので、今日は関連する小ネタを。 UNIXで無意識で使っているls(1)コマンド。manページには"list directory contents"とか書かれているので、listの短縮形だとばかり思っていたら、Wikipediaによるとlist segmentsの略なんだそうな*1。どうもその名前の由来はMulticsにありそうだ。 セグメントとはMultics用語でファイルのこと。ただしファイルとセグメントは等価ではなく、ファイルが二次記憶を抽象化した概念であるのに対して、セグメントは二次記憶であることを隠蔽する概念である。UNIXのメモリマップドファイルに近いけど、歴史的にワンレベルストアとか呼ばれる。Multicsの世界では、UNIXのopen/closeに対する操作がなくて、セグメント名が動的リンカによって解決される