初乗り運賃が210円と全国一高い京都市営地下鉄は、実は厳しい経営難に陥っている。烏丸線と東西線を建設する際にかかった建設費が重くのしかかっているのだ。ネックになったのは埋蔵文化財調査。トンネルを掘り進めるたび、文化財の調査が必要となり、想定より建設費が上積みされたという。財政健全化法に基づく経営健全化団体にも指定され、経営はいわばイエローカードを突き付けられた状態。この危機を乗り越えるためには利用客を増やすしかないと、市交通局が掲げた目標は「1日あたり5万人増」。オリジナルのキャンペーンキャラクター「太秦(うずまさ)萌」を誕生させるなど地道な取り組みを重ね、目標達成を目指している。(小川原咲) 1200年の都、掘るたび遺跡が…8500億円もの建設費 慢性的な交通渋滞に悩んでいた京都市内。古都を南北に走る市営地下鉄烏丸線が昭和56年に北大路-京都間で営業を始め、順次延伸された。平成9年に東西