横浜村田、引退試合の佐々岡から涙の36号 9回表2死、佐々岡(右)から36号本塁打を放った村田(撮影・上田博志) <広島10-1横浜>◇6日◇広島 身を切られるような涙の本塁打だった。横浜村田が9回2死、本塁打王争い単独トップに立つ36号ソロを放った。だが、笑顔はなし。ベンチに戻ると、目頭をぬぐった。「打ってつらい本塁打でした。こんな本塁打を打ったことはない。生涯初めてです」。投手は引退試合の広島佐々岡。9回2死からの登板に、村田が当たってしまった。 満員の球場には、佐々岡コールが響き渡っていた。10点ビハインド。勝負は決まっていたが、打者と投手の真剣勝負は残っていた。村田は佐々岡に一礼して打席に立った。カウント1-3。1度もバットを振らなかった。5球目。高め直球137キロはボールか。乾いた音を残し、打球は左中間席中段へ飛び込んだ。「(対戦する)展開では、真剣勝負だから打ってもらって構わな