最近、清水明著「熱力学の基礎」を買った。以前、著者のウェブサイトでβ版が公開されていたのだが、それをプリントアウトして読んで「これは持っていたい」と思う内容だったため、発売日のすぐ後ぐらいに買ったのだった。この本を読む前に、田崎晴明著「熱力学」を読んでいたのだが、熱力学という完成した分野が、こうも違う風に描き出せるという点について大変驚いた。「熱力学の基礎」のほうはまだ斜め読みしかしていないが、これから理解を深めていきたい。 さて、この二冊を比較してその特徴を明らかにすることは、正直私には荷が重い。すべての点をもれなく上げられる自信など毛頭ない。しかし、誰が読んでも明らかな相違点が一つある。それは、「エントロピー」という概念が清水本ではまっ先に要請として与えられるのに対して、田崎本ではあとから(E-F)/T として定義されるのである。後者は、言い換えれば、熱力学という学問の構成にエントロピ
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