2014年5月4日のブックマーク (1件)

  • ペシミストの勇気について

    [解題] 『日常への強制』(構造社、1970.12.)所収。 この書は、数編の随筆を加えて、『望郷と海』(筑摩書房、1972.12.)として出版され、衝撃をもって迎えられた。その中に、鹿野登美も含まれていた。このときの衝撃を、登美は次のように記している。 実は私は『望郷と海』を新聞の書評欄で初めて知った。そのころ私は勤務先の大変複雑な問題の渦中にあって、心身弱り果てていた。空しい思いで夜更けに新聞を広げていた私の目に、「望郷と海」という一文字が、続いて「石原」さらに「鹿野武一」が飛び込んできた。書評を読み終えた私は、衝撃のため立ち上がって部屋の中を歩き廻ったのを覚えている。 「どうしよう。何から始めたら良いのかしら」と独り言ちながら。”石原吉郎”の姓名は、はっきり記憶していた。ハルピンで、舞鶴で、また兄からの手紙の中で。しかしすでに十年近くも以前にH氏賞を受賞された詩人であられることも、そ

    Sucker
    Sucker 2014/05/04
    "真実というものは、つねにそのような表膚でしか語られないのであり、そのような表情だけが信ずるに値するのである。まして、よろこばしい表情で語られる真実というものはない。"