東京新聞:元幹部死刑囚１２人は今:社会(TOKYO Web)「およそ仰ぐべき師を誤るほど不幸なことはなく、被告人もまた、不幸かつ不運であった」－。小池（旧姓・林）泰男被告（５７）に極刑を言い渡した一審の裁判長の判決文ほど、戻る道を断たれた弟子たちの心境を代弁する言葉はない。麻原彰晃死刑囚を除き、死刑になった元幹部は十二人。再審を申し立てた者もいる。教団と決別した者、時間をかけて呪縛から解き放たれた者、変わらず宗教の世界にしがみつく者…。十三人が死亡、六千人以上が負傷した地下鉄サリン事件から二十年。自問自答はいつまで続くのか。 （瀬口晴義） ＜刑決まり去私には遠く漱石忌＞＜獄の虫コンクリートに棲（す）みて鳴く＞。教祖の側近としてほとんどの事件にかかわった中川智正死刑囚（５２）は、獄中で俳句をつくり、俳人の江里昭彦氏と同人誌を出した。地下鉄サリン事件から十七年の日に詠んだ句は＜春一番吹かず十七年目の忌＞
