平成15年「禅の友」4月号 命とは何か 二月に涅槃会を勤めたかと思っているうちにお彼岸を迎え、あっという間に四月の降誕会です。十二月の成道会のころ、すっかり葉を落とした落葉樹などは枯れ木と見まごうばかりの姿でした。しかし厳しい寒さの中でも、立春を過ぎるころから桃や桜は枝先の色も赤みを増し、まさに、いのちを感じさせてくれます。 私たち人間も、いのちがあるからこそ生きているにもかかわらず、さて、あらためていのちとは何かと考える時、多くの答えの中から何を選べば良いのでしょうか。 お釈迦さまのお生まれになった四月八日、当寺の幼稚園は、毎年入園式を行います。園舎での式のあとは、本堂で親子そろって花まつりをします。小さな竹の柄杓で誕生仏に甘茶をかけ親子で手を合わせる姿は、美しいいのちの形を見る思いがします。 子どもたちは、卒園までの三年間、毎週本堂で坐禅を組みます。ひどい雨の日でも、嫌な顔ひとつせず傘