ハーネマンさんの時代、医療は危険であった。 ていうか、むしろ、暴力の荒野だった。 医療の目玉は瀉血といって、わざわざ血管をブッた斬って出血させ、血液を捨てるという治療法である。他にも、精神病とみたら頭に穴をあけて髄液を捨てたりするなど、「悪いモンが溜まってるから病気になるんだから、捨てりゃいいんだ」というような、魔女のバアさんも裸足で逃げ出すような治療法が盛り沢山であり、はっきり言って病気になったら死なない方がおかしいレベルである。念の為に言っておくが、ハーネマンさんのまわりにキチガイが多かったわけではなく、当時はこれが科学的で正しい医療とされていた。 ハーネマンさんは激怒した。かの、邪知暴虐の医療を除かねばならぬと決意した。とはいえ、その時のハーネマンさんには、まだ独逸的閃きが訪れておらず、とりあえず医者を辞めることで手を打った。 しかし現実は非情である。稼ぎがないと飯が食えない。それに
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