タグ

2013年2月20日のブックマーク (24件)

  • イオンで作る量子コンピューター

    超弩級の能力を持つと期待される量子コンピューター。原子や光子,人工の微細構造にデータを保存して処理する設計が考えられている。最も進んでいるのが捕捉イオンを操る研究だ。イオンにデータを蓄え,他のイオンに転送できるようになっている。開発を阻む原理的な障害はない。 私たちが行っている捕捉イオン実験では,電気的に浮揚させた個々のイオンが小さな棒磁石のように振る舞う。各々の棒磁石の方向(上向きと下向き)が量子ビットの1と0に対応する。レーザー冷却(原子に光子を散乱させることで原子の運動エネルギーを奪う方法)によって,捕捉トラップ内のイオンをほぼ静止させる。 これらのイオンは真空容器中にあるので周囲の環境からは分離されているが,イオンどうしの電気的反発による強い相互作用を利用して「量子もつれ」を作り出すことができる。量子もつれは個々の量子ビットの観測結果が相関し合う現象で,粒子の間を結ぶ“見えない配線

    イオンで作る量子コンピューター
  • 多世界から生まれた計算機

    現在のスーパーコンピューターをもってしても何億年もかかる計算を一瞬のうちに解いてしまうとされる「量子コンピューター」。世界の先進的な大学や企業が研究にしのぎを削る注目分野だ。 量子コンピューターは「ミクロ世界で生じる状態の重ね合わせを利用して計算するから速いのだ」と,一般には説明されている。しかし,基礎理論を構築した英国の物理学者ドイチュ(David Deutsch)にいわせると,量子コンピューターは「多数の並行宇宙を使って計算する計算機」だ。「その能力の源泉は,膨大な数の並行宇宙で計算を分担する点にある」。この言葉からもわかるように,エヴェレットの多世界解釈なしにはドイチュの発想もなかったといえる。 現在のコンピューターのプロセッサーをいかに高速化してたくさんつなげても,量子コンピューターにはならない。「計算する」ということそのものを,現在のコンピューターとはまるで違う視点からとらえたユ

    多世界から生まれた計算機
  • 量子もつれが相対論を脅かす

    私たちが経験から知っているように,この宇宙で私たちが直接に影響を及ぼすことのできる物体は直接触れているものだけだ。しかし量子力学によると,「量子もつれ」という性質がもたらす遠隔作用が存在し,2つの粒子が何の媒介もなしに同期して振る舞う。この非局所効果は単に直観に反しているだけではない。アインシュタインの特殊相対性理論に深刻な問題を投げかけ,物理学の根底を揺るがす。 量子もつれとなる特性はいろいろある。例えば,それぞれの自転の向きがはっきり決まっていないにもかかわらず,反対向きに自転していることは確実な2個の粒子がありうる。量子もつれは,粒子がどこに存在するかによらず,粒子が何であるかによらず,互いにどんな力を及ぼし合っているかによらずに,2つの粒子を関連づける。原理的には,銀河の両サイドに遠く離れた電子と中性子が量子もつれになっている例も考えられる。 一方で,量子もつれは「非局所性」という

    量子もつれが相対論を脅かす
  • トポロジカル量子コンピューター

    「エニオン」という不思議な粒子を操ると,“時空のひも”の束で量子計算を表現できる。組みひもの構造は周囲の状況が多少変化したくらいでは変わらないので,エラー発生率の低い現実的な量子コンピューターにつながる可能性がある。 量子コンピューターは古典的コンピューターをはるかに超える能力を持つと期待されているが,ちゃんと動かすにはエラー発生率を非常に低くする必要がある。現在の技術水準では,既存の量子コンピューターの設計でこうした低いエラー発生率を実現するのはとても困難だ。 そこで別のタイプとして,これまでとはまったく異なる物理系を用いて量子計算を行う「トポロジカル量子コンピューター」が提案された。トポロジカルな性質は周囲の環境が多少変化しても変わらないので,質的にエラーを起こしにくい。 トポロジカル量子計算には,理論的に存在が仮定されているエニオンという励起状態を用いる。これは粒子のようなもので,

    トポロジカル量子コンピューター
  • 時空の原子を追うループ量子重力理論

    私たちは空間も時間も連続したものだと考えているが,実は大間違いかもしれない。相対論と量子力学の統合を目指す新理論によると,「時空の原子」が存在する。アインシュタインが果たせなかった難問解決の道筋が見えてきた。 空間の構造を非常に小さなスケールで理解するには,重力の量子論が必要になる。空間に重力が関係してくるのは,時空の歪みから重力が生じることがアインシュタインの一般相対性理論によって示されているからだ。 量子力学と一般相対論の基原理を注意深く組み合わせることで,「ループ量子重力理論」が生まれた。この理論によると,空間は個別の小さな塊からできていて,最小の塊の体積はおよそ1立方プランク長(10-99cm3)だ。時間の進みは飛び飛びで,その最小単位はおよそ1プランク秒(10-43秒)となる。また,空間がとりうる量子状態は点と線からなる「スピンネットワーク」という抽象的な図に,時空の量子状態は

    時空の原子を追うループ量子重力理論
  • グラフェン 鉛筆から生まれたナノ材料

    鉛筆で線を引っぱるたびに,物理学やナノテクノロジー分野でいま最もホットな新素材「グラフェン」の小片が生み出される。このグラフェンは鉛筆の芯の材料であるグラファイト(黒鉛)から生まれる。グラファイトは炭素だけからなる物質の1つで,平らに並んだ炭素原子の層がいくつも積み重なってできており,何世紀も前からグラファイトのこの層状構造は知られ,層に分けようと試みられてきた。この1枚の層はグラフェンと名付けられ,六角形の網目状に結合した炭素原子のみからなり,厚みは炭素原子1個分しかない。 グラフェンの単離に成功したのはつい最近で,2004年に著者のガイムらはグラファイトを力ずくで引き剥がした破片からグラフェンを作り出した。セロハンテープにグラファイトの薄片を貼り付け,テープの粘着面で薄片を挟むように折り,再びテープを引き剥がす。これを繰り返すことによって薄片を剥がし,どんどん薄くしていくことでグラフェ

    グラフェン 鉛筆から生まれたナノ材料
  • 光で脳をコントロール

    狙った細胞の活動を光で自由にコントロールする新技術「オプトジェネティクス」。脳細胞の活動パターンとそこから生まれる現象との関係を直接調べられるとあって,特に神経科学の分野で目覚ましい発展をもたらした。この革新的な技術を可能にしたのは,意外な微生物の光に反応するタンパク質だった。 精神科医でもある著者は,精神疾患の原因に関する情報が限られていて,治療法がなかなか見つからずにいることに限界を感じていた。哺乳類の脳は非常に複雑なため,脳が当に何をしているのか,どの脳細胞のどのような活動パターンが最終的に思考や記憶,感覚,感情などを生み出しているのかについて詳しく調べられずにいた。神経疾患に関する研究も,化学物質や神経伝達物質を中心に考えるのが主流で,脳の高速電気神経回路としての側面は注目されていなかった。 他の細胞に影響を与えずに脳内の特定の細胞を制御する技術が待ち望まれていたが,それまでの電

    光で脳をコントロール
  • ハイパーコンピューターをつくる

    現在,最高速度を誇っているスーパーコンピューターでも,日進月歩の科学の世界では,あすになれば遅すぎて役に立たなくなっているかもしれない。通信や情報処理分野で革命が進んでいるにもかかわらず,人類は健康や福祉,安全保障,経済成長の維持などさまざまな課題を抱えており,最速のコンピューターを駆使しても有効な解決策を見いだせないでいる。最近,科学の重要分野は気候変動の解明や医学,生命科学,核融合,国防,ナノテクノロジー,先端工学,電子商取引などに移ってきた。これらの分野が進展するには,現在最速のスーパーコンピューターより1000倍も速い次世代スーパーコンピューターの開発が欠かせない。 気候変動の解析に代表される非常に複雑な問題を解くには,実際の現象を模擬するモデルをつくり,長い時間かけて再現性や信頼性の高いシミュレーションをする必要がある。これに要求される性能は,現在のスーパーコンピューターをはるか

    ハイパーコンピューターをつくる
  • 心を読む機械

    心から信頼の置ける世界というものを想像してみよう。そこでは真実があまねく行き渡り,判事も警官も錠前屋もゴシップコラムニストもお役ご免。人間社会は規律正しく,うんざりするほど退屈になってしまうだろう。 人の心を読む機械ができると,そんな社会が現実になる。ただし,時代遅れのポリグラフ(ウソ発見器)では力不足だ。ポリグラフは人の考えを測っているのではなく,血圧や呼吸など思考の結果に生じる生理的な現象を手がかりに,当人がウソをついているかどうかを推定しているにすぎない。 現在ではもっと優れた手法が可能になっている。ペンシルベニア大学のラングリーベン(Daniel Langleben)らは機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を利用して,一連の質問に応答する被験者の脳を詳しく調べた。あるときには被験者に偽りばかりを答えてもらい,別の状況では真実を答えてもらった。これを互いに比較した結果,ウソをつくときに

    心を読む機械
  • シミュレーションで解く脳の複雑性

    私たちの脳の中では数十億のニューロンが絡み合い,ネットワークを構成している。1つ1つのニューロンを見ると,長く伸びた軸索を通じて他のニューロンに接続し,電気信号を送り合っている。だが,これらのニューロンの活動から,どのようにして脳の複雑な機能や精神活動は生じるのだろう? 個々のニューロンや脳内の一部の領域だけを観察していたのでは,この問題は解けないかもしれない。脳を部分的に調べることは,たった1個の水分子を観察して,水が氷る理由を解き明かそうというようなものだ。「氷」という言葉は,個々の分子スケールでは意味をなさない。氷は無数の水分子の相互作用から生じるもので,全体の水分子が集まって結晶へと変化した状態のことだ。 だが,どのような方法で研究すれば,脳を大小さまざまなスケールで同時にとらえることができるだろうか。この課題に取り組むため,一部の研究者は,さまざまな分野の複雑性に関する解析手法を

    シミュレーションで解く脳の複雑性
  • 脳丸ごとシミュレーター

    世界の約130大学が参加,人間の脳の完全なシミュレーターを開発する「ヒト脳プロジェクト」が実現に向けて動き始めた。脳にある100兆個のシナプスの接続を測定するのは不可能で,コンピューターで再現できない。そこでプロジェクトでは,脳内において各種の細胞がどのように分布し,どう互いに接続されるかを決定する一連の仕組みを突き止め,それらをソフトウエア化して,コンピューター上で脳を構築しようとしている。現在,ほかの5プロジェクトとともに,欧州連合(EU)の大型研究資金の獲得を目指してしのぎを削っている。選考で上位2つの中に入れば10年間で最大10億ユーロが支給される。結果発表は来年2月の予定だ。 再録:別冊日経サイエンス201「意識と感覚の脳科学」 著者Henry Markram スイス連邦工科大学ローザンヌ校でブルー・ブレイン・プロジェクトを指揮している。ニューロンがどのように相互接続し,対話し,

    脳丸ごとシミュレーター
  • ブレイン・マシン・インターフェース データを脳へダウンロードする

    人間の脳とコンピューターを一体化させ,必要に応じて記憶や外部情報を出し入れできる時代がやって来る!? ──ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の研究はSF小説の世界に現実味が与えるまでに進んできた。やがては,脳を手軽に書き換えられる記憶装置に変え,膨大な情報を自在に扱える時代がくるかもしれない。 BMIには,脳へ情報を入力するものと,脳から情報を出力するものの2通りがある。近年,飛躍的に進歩したのは「出力型」の研究だ。サルを使った実験では,脳に電極を埋め込み,運動を指令するニューロンの信号を送ることで,ロボットアームを動かすことができる。将来は,脳卒中や筋萎縮性側索硬化症の患者が,麻痺した手足と同じように人工装具を使うことが可能になると思われる。 一方,脳にプラグを差し込んで外部情報を注入するというシーンは,サイバーパンクSFではおなじみだが,こちらは「入力型」のBMI。音や視覚を

    ブレイン・マシン・インターフェース データを脳へダウンロードする
  • NTTドコモが光ファイバーより高速な「LTE-Advanced」を2015年度に開始へ

    NTTドコモが、現在提供しているモバイル高速通信サービス「Xi(docomo LTE)」よりも高速な「LTE-Advanced」を、当初導入を予定していた2016年度以降ではなく、2015年度中にスタートすることが明らかになりました。 朝日新聞デジタル:LTEの5倍超、高速携帯 ドコモ、15年に前倒し導入 - 経済・マネー http://www.asahi.com/business/update/0220/TKY201302190519.html LTE-Advanved(LTEアドバンスド)は、モバイル通信でありながら光ファイバー回線を用いた通信(100Mbps程度)よりも高速な通信を実現する第4世代携帯電話(4G)通信方式にWiMAX2とともに選ばれた規格です。 その目標性能は下りが最大1Gbps、上りでも最大500Mbps。ワイヤレスジャパン2011では基地局や移動局の試作機が展示さ

    NTTドコモが光ファイバーより高速な「LTE-Advanced」を2015年度に開始へ
  • 风云直播

     网站正在升级维护中...

  • 重力は幻なのか? ホログラフィック理論が語る宇宙

    上下,左右,そして前後──空間の次元が3つあることは,私たちの身のまわりを見れば実感できる。これに時間を足せば,空間と時間が4次元で溶けあった「時空」になる。というわけで,私たちは4次元宇宙に住んでいる。しかし,当にそうだろうか? 私たちが感じている重力や空間次元の1つは,もっと次元の低い時空での粒子の相互作用から生まれる一種の「幻」なのかもしれない。「ホログラフィック理論」と呼ばれる物理学の理論によると,重力のない2次元空間は重力のある3次元空間と完全に同等だと考えられる。ホログラムから生まれる立体映像のように,重力を含む3次元の世界は2次元空間の物理から生じているのかもしれない。 この2次元空間は,3次元空間の境界面に存在する。境界面上で起こっている物理現象は,クォークやグルーオンが強く相互作用する様子に似ている。一方,3次元空間内部での現象は,重力の量子論を含んでいる。2つの世界が

    重力は幻なのか? ホログラフィック理論が語る宇宙
  • ホログラフィック宇宙

    「ホログラフィック原理」と呼ぶ理論によると,宇宙は1枚のホログラムに似ている。ホログラムが光のトリックを使って3次元像を薄っぺらなフィルムに記録しているように,3次元に見える私たちの宇宙はある面の上に“描かれた”ものだ。はるか遠くの巨大な面に記録された量子場や物理法則と,私たちの宇宙とは完全に等価だ。 ブラックホールの研究を通じて,ホログラフィック原理の正しさを示す手がかりが得られた。常識に反して,ある空間領域のエントロピー(情報量)は,領域の体積ではなく表面積によって決まることがわかった。この驚くべき発見は「究極理論」を目指す研究のカギになるだろう。 物質がブラックホールに落ち込んで消え去るとエントロピーも永久に失われ,熱力学の第2法則が破れてしまうように見える。私(ベッケンスタイン)は英ケンブリッジ大学のホーキング(StephenW. Hawking)らの研究成果にヒントを得て,「ブラ

    ホログラフィック宇宙
  • PCインターフェース付き簡易電力計の実験・予算1000円製作30分

    ●雑記のメニューに戻る ■PCインターフェース付き簡易電力計の実験(予算1000円製作30分)■ 2011年5月28日 ※ただし、「誰にでも簡単に作れます!」ってノリじゃあないよ、いつも通りだよ。 ●さて、消費電力が気になる季節でございます。 関東あたりだと今年は特にね。 そんなご時勢とは実は全く関係無いというか、 ホントは今年の正月に作ったのだけど 忙しくて放置されてたネタでございますというのが今回の簡易電力計。 一応は大抵のPCに接続できるので デスクトップ上でリアルタイムに消費電力を鑑賞(?)できる。 こんな感じ だから測定が目的というよりも、むしろ「意識」に訴える方向での省エネグッズというカテゴリーを目指してみた。 …ごめんなさい、ウソです、そんなこと考えて作ってません。 さて、このような機器を作る場合、普通に構成を考えれば、 センサー + マイコン + USBとか

  • Hacking The MindFlex, More!

    [vimeo http://vimeo.com/10184668%5D Reader [Eric] sent us a powerfully informative, yet super simple hack for the MindFlex toy. Don’t worry, it’s not another worthless shock ‘game’, And it’s using an actual interface instead of the built-in LEDs. With two wires for the serial protocol, and an Arduino, you’ll be able to view “signal strength, attention, meditation, delta, theta, low alpha, high alp

    Hacking The MindFlex, More!
  • サービス終了のお知らせ

    サービス終了のお知らせ いつもYahoo! JAPANのサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。 お客様がアクセスされたサービスは日までにサービスを終了いたしました。 今後ともYahoo! JAPANのサービスをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いいたします。

  • 123D Circuits

    Close

    123D Circuits
  • 誰でもオリジナルの回路基板を作れる「Circuits.io」

  • konashi: Physical computing toolkit for iPhone, iPod touch and iPad

    iPhone got a new peripheral konashi, a physical computing toolkit for iOS devices Buy konashi NOW! iPhone, iPadをサポート konashi は Bluetooth Low Energy を搭載したiPhoneやiPod touch、iPadとダイレクトに通信を行います。 Learn more

    konashi: Physical computing toolkit for iPhone, iPod touch and iPad
  • ggsoku.com

    ggsoku.com
  • OJKTOTO ~ Situs Togel WLA Online Terpercaya Ojk Toto Resmi

    Awal mula daripada situs togel online berasal dari keinginan daripada masyarakat untuk memainkan toto melalui internet. Dulunya mungkin kita harus mengandalkan keberadaan bandar darat demi memasangkan nomor togel, akan tetapi sekarang jaman sudah berganti semenjak internet sangat mudah untuk didapatkan dan alat komunikasi yang bisa terhubung dengannya sudah sangat banyak. Terlebih lagi sekarang in