引越し遍歴パートⅡ 2018年に「上京して10年で引越しを6回した」というブログを書いた。 月日は流れ、あれから6年…さらに2回の引越しをした。ホテル暮らしも含めると3回かもしれない。 前回の記事では主に神奈川〜千葉〜東京の引越し事情を書いた。関東の浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでいたに過…
![裕福じゃないと博士後期課程に行けないとは限らない - shichisekiの日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)
Leica M7, 50mm Summilux F1.4, 400VC-3 ブログ、全面再開できる状態にはほど遠いのですが、時たま、読者のかたから進学関連の悩み相談のようなメールを受けることがあり、今週もかなりまじめなものを受け取ったりしたものですからちょっと書いてみたいと思います*1。 大体、受けるご相談は、以下の三つのどれかで 今のまま日本で大学院教育を受け続けるので良いのか ポスドクになってから外国に行くのでは遅いか やりたいことがあるが、仕事も忙しく踏ん切りが付かない こんな感じです。 - これを他人事(ひとごと)として読まれるとなんでそんなことに、と思われる人もいるかもしれませんが、それは毎度大変深刻、あるいは真剣なご相談で、だからこそ僕のような直接あったこともない人にまでご相談が来るのではないかと思うのです。こうやって何人かの人のご相談がやってくるということは、かなりの数の人が
書き忘れないうちに専門教育に関して悩まれている人へ贈る言葉と裕福じゃないと博士後期課程に行けないとは限らないをメモしておく。 前者は日本で大学院に行くのはお金の無駄だからアメリカに行け、という内容。後者は日本で大学院に行くのも賢くやれば費用はかからない、という内容。少し詳しく見てみる。 まず前者から。 第二に、もし学位(Ph.D.)をアメリカでとるのであれば、日本でやっていたマスターの二年間もそのお金も完全に無駄になる。少なくともアメリカのresearch universityでは、自然科学系の修士課程(マスターをとることを目標としたプログラム)というものは事実上存在していない(要はすべてがPh.D. program)ため、もう一度、アメリカ中の有名大学からピンに近い成績でやってきた新卒たちとゼロからコースワーク(専門の基礎教育)をやり直すことになる。 第三に、マスターを持っていても研究者
実は僕自身、高学歴ワーキングプアだとかポスドク問題などの社会問題を、あまり問題に感じていない。早急に解決すべき問題であるとも思ってない。積極的に情報集めてもいないし、本も読んでない。 だから僕の場合、「博士ネットワークミーティング」に参加したのも、「Ph.D交流会」に参加したのも、ぶっちゃけてしまえばその「参加者」に惹かれたからだ。 ウェブ時代と併走するスタンドアローン・コンプレックス。博士ネットワーク・ミーティング@京都に参加して - ミームの死骸を待ちながら 流れよ我がキャリア、と博士は言った。第四回Ph.D交流会レポート - ミームの死骸を待ちながら 僕は理系学生として、博士の、職やらポスドクやら組織の中で耐えたりとなかなか大変そうな姿を見たり聞いたりしているし、自分自身のために大変な環境をわざわざ切り開きながら博士に進むだけのメリットが見えないし、というわけで就職することを決めてい
さて、最初に出したグラフを見れば一目瞭然ですが、30年ほど前、私の両親が大学にいた頃は、生活費はともかく学費はせいぜいバイトでまかなえる程度の額しか掛りませんでした。しかしここ数十年で日本の大学を取り巻く情況は一変し、今では立派な格差の拡大再生産装置です。 昨日は朝日新聞からこんなニュースが出ていました。 asahi.com:国立大授業料、私大並みに 財務省、5200億円捻出案 - 社会 財務省は19日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、国立大学予算で授業料引き上げなどによって最大5200億円を捻出(ねんしゅつ)できるとの試案を発表した。生まれた財源を高度な研究や人材育成、奨学金の拡充に充てるべきだとの主張も盛り込んだ。国から国立大に配る運営費交付金(08年度予算で約1兆2千億円)の増額論議を牽制(けんせい)する狙いがあると見られる。 試案は、授業料を私立大並みに引き上げることで約2
大学にいる時には、人材育成の概念に非常に疑問を持ちました。学生の進路が定まらない理由の中には、自己責任の部類に含まれることも多いとは思いますが、根本的に、大学院の研究室というところは、進学してきた学生がその後どうなろうが知ったこっちゃないというところに非常に問題があるように思えます。 この問題については、かなり思うところが強いので、この機に少し書き留めておきます。 大学では、学生が途中で研究室を辞めて出て行っても、学位取得ができず留年することになっても、基本的に教官は別に何ら傷付かないのです。研究室運営の全般的な流れからするとそれほど問題にならないのです。学生の将来が自分の経歴に影響するわけでもないし、ずるずるといたとしても自腹の給料を払うわけではないからです。別に大きなデメリットはないんです。 かなりきつく書いたが、もちろん、能力がない、やる気がない、感性が合わない人間を向かい入れれば、
はじめに ちょっと前のことになりますが、テレビ番組で取り上げられたことなども影響し、いくつかのブログなどでいわゆるポスドク問題が加熱しています。そういったところでの議論をざっと見た感想では、進展に向けて気持ちの面では前向きな意見が多くなってきてはいるが、具体的な良策は見えないし、悲観的なムードはやはり漂っているという感じを受けました。 バイオテクノロジージャーナルという月刊誌があり、そのポスドク記事を読んでいるのですが、8月号では「ポスドク問題は、最悪の形で収束する」と書かれてありました。実に悲観的な一文ですが、それが現実のものとなりうるかもしれないなと正直思ってしまいます。 さて、これまでいくつか博士の就職についての文章を書いてきましたが、記録しておくべき文章がもう一つあるとずっと感じていました。それは、「なぜ僕は就職活動することになったのか」ということです。さらにこれを分割して、「なぜ
前のエントリ にてのほほんと博士課程進学を勧めてしまいましたが,夢のある話だけではないよ,という背景も知らせておくことが必要かな,と思いました.というのも下記の記事を一通り読んだからです. 学生がその後どうなるのか - うすっぺら日記 学生がその後どうなるのか 追記 - うすっぺら日記 大学院生は利用され使い捨てられているのか - 5号館のつぶやき (via まなめはうす) ドクター問題その後(5):学生の未来に関心のない指導教員、そしてアカハラ - 大「脳」洋航海記 それぞれは少し長めですが,大学院進学,研究者志望の方,大学教員の方は一度目を通してみるべきではないでしょうか.色々と思うところが出てくると思います. 以上の記事を読んでみて,上記記事とは論点がずれるかもしれませんが,自分の思ったことを記してみます.こういった危機意識を持った上で,研究室に入ってしまった学生が何をしておくべきな
|ω・)ノ <黒猫の気まぐれ日記 blanc_et_noirの上記のエントリを契機に。iNutやsyou6162やMishoも話していた気がするし、ということで、書いてみた。僕の立場は以下の通り。 研究するだけでは視点が狭くなる恐れ 最悪なのは中途半端 経験不可逆性理論 もちろん今の時期は基本的には採用活動がようやく開始、という企業がほとんどだと思う。僕は(せっかちなので)夏あたりからインターンに申し込んだり早くから採用をやっている外資系にエントリーシートを送り、ポコポコ落とされて涙目になっているところだったりする。 だから、一般的な「シューカツ」の話をするのはまだ早い、加えて僕は就活優等生では決してない、ということをアタマに置いて、しかも棚上でこれを書いてる。 1.研究するだけでは視点が狭くなる恐れ 就活してみて一番よかったなあと思ったのは、研究室にこもっていては決して会えない人に会えた
昨日、なぜアカデミアという進路に束縛されてしまったかについて述べたが、では、進路固定はどうやって融解したのか。 就職しようと思ったきっかけはかなり早い段階だった。おそらくM2の時にぼんやりと思い始め、D1、D2で強くなっていった気がする。 それを崩し得たのは、培った経験による自分自身や分野全体の自分なりの評価、先輩研究員などの周りの状況、将来設計の展望、研究に対する挫折などが複合的に発端となった。そうして心情の変化が生まれていった。それに、博士の就職活動を行った友人からのアドバイス(叱咤?)、修士で就職していった友人達の物の考え方、そういったものが推進力となり、数年来の意識は瓦解していった。「目が覚めた」という印象が強い。 まず初めに生まれたのは、現在のキャリアに対する、以下のような強烈な不安であった。 アカデミアに献身することを肯定できなかった。 生物学に対する思い入れはかなり強固であっ
「クックパッドのオフィスが凄すぎる件について - Future Insight」を読んで色々連想しました。 そこでは、以下のように書かれています。 すでに納得のできるポジションにいる人を引き抜くというのはなかなか難しいわけで、大企業の研究系で飼い殺しになっているエンジニアを引っ張ってくるっていうのが戦略としてはおいしい気がします。パッと思いつく有効な手だては、 大企業だけではなく、博士進学者というのも実はかなりエンジニアを抱えていると思います。 例えば、「研究」や「論文」というフィールドには馴染めず数年間過ごしてしまったけど、スキルとしては非常に高いものを持っていて、「作業」や「仕事」という面では優秀な博士課程学生がいます。 そのような場合、論文を書くという作業に馴染めなかったことなどに関して多少落ち込んでいる時期だったりするので、最初は自信が無さそうなそぶりを見せたりするかも知れません。
新学期が始まって一週間、だいたいの授業に出てみて、今からセレクションを行う段階。いくつかの授業についてつらつらと。簡単に単位が来るルーチン授業に興味はありません。以下に書くのは重いけどおもしろいもののみ。 僕は全くわからないことを「ああわからん、もっと勉強しないとダメだ」と自虐しながら聞くのが好きなので、自専攻は最小限に押さえて、計算工学とか知能システムとか経営工学とか、全く関係ない授業を取りまくってる。数学専攻と物性物理はちょっとハードル高すぎて無理だった。 バイオインフォマティクス×2 おもしろいことに、うちら生命系の「バイオインフォマティクス」とは別に、情報系の授業にも「バイオインフォマティクス」があることを発見した。 生命バイオインフォマティクスは、生命を読み解く手法の一つとして情報工学を使う のに対して、 情報バイオインフォマティクスは、情報工学の応用分野の一つとして生物学を紹介
計算の基礎理論、計算システム/プログラミング、ビジュアル情報、コンピュータアーキテクチャ、生物情報を中心とした計算システム分野の教育・研究を行い、次世代情報科学技術のコンピュータ的側面の基礎を主な研究対象とする。 キーワード: 論理, 計算アルゴリズム, 計算機言語, オペレーティングシステム, コンピュータアーキテクチャ, 並列分散処理, セキュリティ, グラフィックス, 数値計算, 自然言語処理, 知識発見, ユーザインタフェース, ゲノム情報科学, 計算科学 2023.05.17 西田友是名誉教授が令和5年春の叙勲で瑞宝中綬章を受賞されました。詳しくは、情報理工学系研究科のニュースをご覧ください。 2023.05.01 石田隆講師が「限られたデータと教師からの高信頼機械学習」により、船井研究奨励賞を受賞しました。https://funaifoundation.jp/awardees_
10月6日の「ポスドク問題の国家的損害」というエントリーに、たくさんのコメントがついて議論になっています。その中で、Aさんという方のコメントが大学院問題の核心をついた重要な点を指摘していると思われますので、こちらに再掲させていただいて問題を整理したいと思います。 10月13日のAさんのコメントから抜粋します。 これを読んでいる中に大学教育の関係者の方が多いのであれば、せっかく匿名なのですから「なぜ大学は今、大学院生が欲しいのか」について本音で話してもらえませんか? これまでの説明ではほとんど理解できません。また、これまでに企業や社会からほとんど必要とされることのない博士を大量生産してきたわけですが、「大学の考える大学院教育は、国民の税金でまかなわれる教育として妥当だったのか」についても意見をうかがいたいと思います。 これに対して私が書いたコメントです。 Aさん。他人事にように言うと叱られる
まさか自分がこうなろうとは。 今から大学院へ行こうか、また大学や大学院を中退しようか考えている方のために書きたいと思います。 あらかじめ断っておきますが、自分の主観が大きく入っているので、 この記事を読まれる個々人の状況により解決策は異なることと思います。 しかしそれでもこの体験は多くの理系大学院で起こりうるものであることと思います。 私の在籍していた大学私は中堅国立大学の理系大学院へ進学しました。 私が通っていた大学は4年生になった時から研究室への所属が決まります。 しかしながら、研究室というものには人数の定員があり、思ったところへ行けませんでした。 私の所属が決まった研究室は学校の中でもトップクラスの場所でした。 優秀な学生は自ら名乗りを上げ、大学院入試の際は外部の大学から受けに来られる方もいるくらいの場所でした。 そんな中で私もこれはそういう運命なのだと、やる気に満ちてがんばっていま
退学しよう。 九ヶ月ほど前に決意して将来を見極めようとした試みに対する回答が出たのは2008年の4月だった。 現在修士一年。この研究室に所属して一年が過ぎた。 この研究室を選んだのは、自分の価値観とは全く違う所に身を置いてみたかったからだ。僕に足りないもの*1が補えると思った研究室がここだった。他にめぼしい研究室がなかったため、消去法で選んだ側面もある。組織というものは叩けばいくらでもほこりが出るらしい。 そもそも研究室を選ぶこと自体、ほとんど詐欺のような契約だ。数回教授に話を聞きに行ったり、研究内容を背伸びして下調べしても学部生の知識ではよくわからない。よくわからないまま、研究室を決めてしまう。 そして、研究室に入って右も左も分からないのに、数ヶ月たったら、「あと二年残るかどうか」を決めさされる。数ヶ月前の選択を覆すだけの情報なんてまだ持っていないし、内薦の話なんかが出てくると、わざわざ
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