とても単純な生き物でもそれが集まったとき、なぜか高い知能を持つ集団のように振る舞うことがあります。 特に最適な経路を見つけて移動するという行動は、免疫細胞にも、がん細胞の浸潤にも、細菌のコロニー形成でも見られます。 本来なら、複雑な環境で最適な道筋を見つけるには、間違った道を記憶し、経路を検討して選択する意思決定が必要であり、“賢い個体”がいなければ成立しないはずです。 しかし、それぞれの個体を詳しく見ても、内部に記憶装置があるわけでも、仲間と相談する仕組みが備わっているわけでもありません。 それにもかかわらず彼らは集団になると、あたかも“状況を理解しているかのような”合理的な動きを見せます。 いったいこの「集団の知性」は、どこから生まれてくるのでしょうか──。 この謎に挑んだのが、東京大学生産技術研究所(Institute of Industrial Science, The Unive

