まずは、以下の事例を考えてみてください。 AさんはX社の株1単元(時価100万円)とY社の株1単元(時価100万円)を保有している。Aさんは子どもの大学入学一時金が必要になったので、X社かY社の株を売って入学金にあてようと考えた。以下の条件のとき、AさんはX社、Y社いずれの株を売るべきか。 ・AさんがX社の株を買ったときは1単元130万円で、現在X社の株は30万円の含み損が発生している。 ・AさんがY社の株を買ったときは1単元70万円で、現在Y社の株は30万円の含み益が発生している。 ・X社、Y社はいずれも上場している。 この事例を考える際、結構な数の人が含み益の出ているY社の株を売るべきと解答してしまいます。人間の心理として、儲かっているうちに利益を確定したいというのと、値下がりをしているX社の株はいつか元に戻るだろうという期待があるからです。 しかし、合理的にはY社の株を売るという判断