新型コロナウイルスの感染状況について、安倍晋三首相は6日、全国的な重症者の少なさや検査・医療体制の余裕度などから「緊急事態宣言を出す状況ではない」と述べた。一方で、厳しい状況に置かれている地域はあり、首相のデータ引用には不正確な部分もあった。(原田遼、井上靖史、藤川大樹) 「医療体制はすでに逼迫(ひっぱく)している」。沖縄県の担当者は、安倍首相が「医療提供体制が逼迫しないよう、きめ細かく対策を講じる」と話した6日、取材に危機感をあらわにした。 県内では7月8日以降、新規感染者が急増。1日あたり47人となった8月1日時点で、病院とホテルに確保した計278床はいっぱいになった。この日、県は独自の緊急事態宣言を発出。離島への渡航自粛や飲食店の営業時間短縮などを求めた。 現在は計430床に増やしたが、感染者はそれを上回るペースだ。重症者は3人と少ないものの、303人の入院・療養先が決まっていない。