新宿西署のはみ出し者の刑事・梶竜介と、天性の妖婦とも云うべき美少女・沢野未来との奇妙な交情を描く物語。 初出は『野性時代』1981年5月号。全編が一挙掲載されたのち、同年8月31日に角川書店から単行本(ISBN 4-04-872312-X)が刊行された。のち、1983年7月10日に角川文庫版(ISBN 4-04-150004-4)が刊行されている。表紙はともに福田隆義が担当している。 本書を原作とした映画が1988年に製作された。 深夜の新宿で、一人の男が刺殺された。事件を担当することになった刑事・梶は、被害者の特徴からバンドマンであるとあたりをつけ、捜査を開始した。ほどなく被害者の身元を突き止めた彼は、被害者が働いていたクラブで一人の美少女と出会った。暴走族「ブラッド」の一員であるその少女、沢野未来が事件の犯人であると直感した梶は、同僚の西村とともに沢野を取り調べた。 だが沢野にはアリバ