恋愛本としての論理的な正しさがすごく皮肉な形で証明されてる本だ。 理論自体は正しいけど、その理論を作者が振りかざした途端に「諸々の理不尽や自己矛盾、不都合な真実を受け入れないといけない本」である。 ブラック・ユーモアとしての二村ヒトシ作品二村ヒトシさんの「なぜあなたは愛してくれない人を好きになるのか」という本を読み終わった。 書いていることはとてもまともだと思う。 ところが、同じ作者が男性向けに書いた「すべてはモテるためである」と比較すると女性に擦り寄っていき、女性を洗脳しようとしている言い回しで執筆されていたため、生理的に受け付けなかった。 著者自身もその点は認めている。 実際、文庫本になる過程で本を読んだ女性と対談をしたり、自分の文章を読み返して壮大な自己陶酔に(曰く「いい本を書いた」ぐらいのつもりだったそうだが、読み返してみるとインチキ自己肯定だったと)気づいたという話してる。 薦め