トランジスタの主流を占めるシリコン系CMOS。このまま高集積化を進めることは困難になりつつあります。半導体業界が1つのコンセプトとして示している「Beyond CMOS」では、シリコンから有機分子に軸足が移っていくかもしれません。 1965年4月、米Electronics Magazine誌に掲載された1つの論文は、当時めざましい発展を遂げてつつあったシリコン半導体を用いるトランジスタの集積について、非常に興味深い内容となっていました。 「集積回路の集積度は1年で倍増し、それに反比例して製造コストは減少する」――Intelの創業者の1人、ゴードン・ムーア氏によって提言されたこの予測は後に「チップに集積されるトランジスタ数は約2年ごとに倍増する」と修正され、いわゆる「ムーアの法則」として、この半世紀近く、半導体業界の精神的支柱として振る舞ってきました。 ムーアの法則は、半導体の微細加工技術の