前回は復習を兼ねながら、一気に、「宇宙→情報=生命→DNA(RNA)→神経系→脳→大脳→声→線刻→文様→輪郭図→土器→文字の発生」にいたる一筋を追いました。年表では紀元前1万数千年から紀元前2000年にいたる時期です。後半はオラル・コミュニケーション成立以降の歴史を「情報の外部化」という基本的視点に「魔術の起源」という視点を加えて概観しました。後半の「声→線刻→文様→輪郭図→土器→文字の発生」にいたる過程では、ヒトが思い、気持ち、観念を表出、表現する方法、つまりコミュニケーションの手段と目的が高度化していったのでした。 特に文字の発生に関しては、その背景として、地球環境の変化にも条件づけられた農耕と定住の始まり、集落の大規模化、そして世界最初の都市国家群(ウルク都市国家群)の成立が深く関係していました。物流量の激増に伴う原始的な経済システムと経営管理システムの成立のなかで、記録術として世界