輸入ができず人気商品の「モカ」が品薄になり、メーカーや喫茶店ではさまざまな工夫をしている(12月12日、東京・千代田区の喫茶店「神田伯剌西爾」で)=清水健司撮影 独特の酸味と甘酸っぱい香りで、コーヒー通に人気の「モカ」が、半年以上も前から国内にほとんど輸入されなくなっている。 残留農薬が基準値を超えて検出されたためで、輸入再開のめどはたっていない。なのに大きな騒ぎになっていないのは、なぜだろう――。舞台裏では、メーカーや喫茶店が、ほかの豆でも同じ味や香りを味わえるようにと、ブレンドや焙煎(ばいせん)の工夫と努力を必死で重ねていた。 老舗の有名喫茶店が集まる東京・神田神保町。その一つ「神田伯剌西爾(ぶらじる)」では、店独自のブレンドコーヒー2種類にモカを使っていた。しかし昨夏、在庫が切れそうになったことから、別の産地の豆や焙煎の度合いを変えるなどの試行錯誤を繰り返し、何とか元の味に近づけたの