天皇御製に学ぶ 第四回 雄略天皇御製に歌はれた國體精神 四宮正貴 泊瀬朝倉宮御宇天皇代(はつせのあさくらのみやにあめのしたしろしめしし すめらみことのみよ) 天皇御製歌(すめらみことのよみませるおほみうた) 籠もよ み籠持ち ふくしもよ みぶくし持ち この丘に 菜摘ます兒 家聞かな 名告らさね そらみつ やまとの國は おしなべて 吾こそをれ しきなべて 吾こそませ 我こそは 告らめ 家をも名をも 〈通釈〉「籠よ。籠よ。その籠やふぐしを持って、菜を摘んでおいでの娘よ。家をおっしゃい。名をおっしゃい。この大和の國は、この私がすっかり従へてゐる。この私が治め従へてゐるのです。私から先に言はうよ。私の家も、それから名も。この上はお前も、家をおっしゃい。名をおっしゃい。」 第二十一代・雄略天皇は、允恭天皇の第五皇子。治世二十三年。「倭五王」(宋書倭国伝)の「武」に比定される。 「泊瀬朝倉宮」は、雄略