■[book]藤本一勇『批判感覚の再生―ポストモダン保守の呪縛に抗して』 - 1 批判感覚の再生―ポストモダン保守の呪縛に抗して 作者: 藤本一勇 出版社/メーカー: 白澤社 発売日: 2006/02 メディア: 単行本 「宝島病*1」批判のようなものがないかと期待して読んでみた。大正解。著者の言う「ポストモダン保守」は私が宝島病と呼ぶものにきわめて近いと思われる。 p89-90 犠牲の状況、戦士の必要の議論から透けて見えていたように、佐伯の共同体論は、要するに、共同体防衛論、防衛の共同体論である。すなわち、共同体という現状を既に前提とし、しかもその前提である共同体自身の内部問題や外の共同体との関係性などを一切議論せずに、自己の共同体の「防衛」のみが議題として設定されるのである。議論の前提がすでにして「悪魔払い」的であり、自己衛生的かつ自衛的である。 自己衛生的とは、自分は本来きれいで清潔