今回の主役は源義経です。 義経は衣川で奥州藤原氏の襲撃を受けて自害したことが史実になっていますが、実は生きのびて東北・北海道から中国大陸に渡ってジンギスカンになったという伝説があることは衆知のことかと思います。 しかし、この「義経=ジンギスカン伝説」が比較的近年にうまれたものであることを知る人は意外に少ないのではないでしょうか。 最初に唱えたのは江戸後期に来日したあのシ-ボルトで、大正の終わり頃に一般的なものとなりました。 義経=ジンギスカン伝説が受け入れられた背景には実は中国大陸の利権を狙う当時の日本の社会的な風潮があったとされています。つまり、大陸に渡って開拓を進める日本人を鼓舞するために、かつてユ-ラシアを支配した偉大な先祖(つまりジンギスカンとなった義経のことです)がいたことにしようとしたのです。 この小展示では室町から江戸時代までに義経伝説がどのように形成され、さらにジンギスカン