はじめに 神奈川県小田原市の生活保護担当職員が不適切な表記のあるジャンパーを作製・着用していたことが今年1月に発覚しました。問題を重くみた小田原市は、有識者による検討会を設置して、抜本的改善のための検証を行いました。その精力的な検証で明らかになったことは、問題の根が深いということでした。 東京都内の生活保護職場で長年働いてきた者として、この問題の本質と背景について考察します。 小田原市ジャンパー問題とは このジャンパー問題が明らかになったのは、読売新聞からの指摘でした。市職員が「保護なめんな」などとプリントしたジャンパーを10年も前から自費で作製し、訪問時にも着用しているとの指摘でした。ジャンパーの背面には「生活保護悪撲滅チーム」を意味する「SHAT」(「生活」「保護」「悪撲滅」「チーム」の頭文字)の文字とともに、「わたしたちは正義だ。不正受給してわれわれを欺くのであれば、あえていう。その