忘れっぽいので書いておく。わたしは死ぬし、あなたも死ぬ。なぜなら生きてるから。わたしの命は時である。時は、微分すると今になり、積分すると人生になるから。 では、この死ぬまでの時は、何のためにあるのか? それは、幸せになるため。人生は、それを使って幸せになるためにある。小説の最高傑作として掲げられるトルストイ『戦争と平和』には、この究極のライフハック「幸せになる方法」が書いてある。 いきなり答えを書く。「なぜ生きるのか」に衝き動かされ、自分探しに翻弄された主人公ピエールがたどり着いた結論だ。たえず探し求めていた「人生の目的」から解き放たれ、自分が完全に自由であることに気づく場面で、エピローグの直前にある。 ことばではなく、理屈ではなく、直接の感覚で、もうずっと前にばあやから聞かされていたことを悟ったのだ。それは、神さまはほらこれですよ、ここですよ、どこにでもいますよ、ということだった。 これ
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