AIが初めて人間に将棋で勝利をしてから既に十年以上がたつ。棋士たちのAI利用は珍しくなくなり、誰もがAIを使い、「最善手」を学ぶ時代となった。均質化が進む中で、どう個性を保ち、どう差別化するか。そしてどうAIと向き合い、意思決定の質を高めるか。 日本ヒューレット・パッカードが2026年2月に開催したイベントで、羽生善治九段が特別講演に登壇した。羽生氏の発言は将棋界の話であると同時に、AI活用の最前線に立つビジネスパーソンへの問いかけでもある。ここでは、対談形式で羽生氏が語った言葉を紹介したい。 1970年生まれ、埼玉県出身。小学1年で将棋を始め、6年のとき小学生名人戦に優勝。82年、プロ棋士養成機関『奨励会』に入会。85年に、史上三人目の中学生棋士となる。19歳でタイトル戦(竜王戦)を獲得。25歳で当時の七大タイトルである竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖を将棋界史上初、完全制覇。4

