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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (53)

  • 道しるべフェロモンを使わずに暗い夜でも巣に戻るアリ、謎を解明

    オーストラリアに生息するキバハリアリの仲間Myrmecia midas。夜間に樹液などを集めるが、フェロモンを使わなくても巣に戻れる謎が最新の研究で明らかになった。(PHOTOGRAPH BY AJAY NARENDRA) オーストラリア、シドニーの郊外で日が沈むと、キバハリアリの仲間であるMyrmecia midasが巣から木に向かって行進する。木に到着したアリたちはほかの生きものを攻撃し、樹液などを集め、夜明け前にそれぞれが戦利品とともに巣に戻る。ほかの多くのアリと異なり、彼らは道しるべフェロモンのにおいを使わないようだ。 そこで興味深い疑問が生じる。夜行性のキバハリアリたちは暗闇でどのように帰り道を見つけるのだろう? 「ずっと謎でした」と語るオーストラリア、マッコーリー大学の神経動物行動学者コディー・フリース氏らの研究チームが、6月11日付けで学術誌「eLife」にその答えを発表した

    道しるべフェロモンを使わずに暗い夜でも巣に戻るアリ、謎を解明
  • 古代エジプトの神殿、2000年分の汚れを落としたらすごかった

    エジプトのルクソール近郊の町エスナにあるクヌム神殿から煤や泥を取り除いたところ、天井や円柱が2000年前の色鮮やかな姿を取り戻した。(ELIZABETH BEARD/GETTY IMGAGES) およそ2000年前につくられた古代エジプトの神殿の天井を研究者チームが復元したところ、驚くべき発見がもたらされた。黄道12星座やその他の星々を描いたフルカラーのレリーフのほか、ヒエログリフ(象形文字)の碑文も見つかり、これらの天体図に隠された意味を解くカギとなりそうだ。(参考記事:「ヒエログリフを解読した「エジプト学の父」シャンポリオンの生涯」) 天井が復元された神殿は、エジプト中南部の町エスナに残るクヌム神殿だ。プロジェクトには考古学者でエジプト学者のヒシャム・エライシー氏を中心とするエジプト観光・考古省と、ドイツのテュービンゲン大学から計30人の研究者が参加。5年余りに及ぶ作業で、当時の色彩を

    古代エジプトの神殿、2000年分の汚れを落としたらすごかった
  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • チャバネゴキブリは世界をどう征服したのか、250年来の謎を解明

    チャバネゴキブリ(Blattella germanica)は、約2100年前、現在のインドとミャンマーにあたる地域でオキナワチャバネゴキブリ(Blattella asahinai)から進化した可能性が高い。(PHOTOGRAPH BY OZGUR KEREM BULUR/SCIENCE PHOTO LIBRARY) 夜でもべようとベッドから起き上がり、キッチンの明かりをつけると、冷蔵庫の下にツヤツヤと光る茶色い昆虫の群れがうごめいているのを見つけた経験はないだろうか。その昆虫とはもちろん、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)だ。 この嫌われ者の訪問客は、どのようにして世界に悪名をとどろかせる害虫となったのだろうか。5月20日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された新たな研究によると、その答えはチャバネゴキブリのDNAに記されていた。 いつ、ど

    チャバネゴキブリは世界をどう征服したのか、250年来の謎を解明
  • ザトウクジラの交尾を初めて確認、写真も、ただしオス同士

    2頭のオスが交尾した理由は不明だが、「ザトウクジラの交尾については、世界中どこを探しても目撃例も記録もありませんでした。ですからこれは、非常に特別で驚くべき遭遇だったのです」と専門家は言う。(PHOTOGRAPH BY LYLE KRANNICHFELD AND BRANDI ROMANO) ザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)のように巨大でカリスマ性のある生物のことなど、とっくに調べ尽くされていると思われるかもしれない。しかし今回、驚くべき新たな発見がもたらされた。ザトウクジラの交尾が初めて観察されたのだ。それだけではない。海洋哺乳類科学の専門誌「Marine Mammal Science」に2月27日付けで発表された研究によると、交尾をしていた2頭はどちらもオスだったという。(参考記事:「【動画】ザトウクジラの出産の一部始終、科学者が初の観察に成功」) この発見

    ザトウクジラの交尾を初めて確認、写真も、ただしオス同士
  • 土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター

    NASAの土星探査機カッシーニが、土星の衛星ミマスにフライバイし最接近してとらえた画像。巨大なハーシェル・クレーターがあるミマスは、映画『スター・ウォーズ』の宇宙要塞「デス・スター」に似ている。このミマスの地下全体に海がある証拠が示された。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE) 土星の衛星ミマスの地下全体に海がある証拠が発表され、天文学者たちを驚かせている。2004年から2017年にかけて土星探査機カッシーニが行った調査を新たに分析したところ、軌道周回中の「秤動(ひょうどう)」と呼ばれる揺れが、地殻の下が液体の海で占められているためであることが示された。論文は2月7日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 地下海の存在はすでにいくつかの太陽系の天体でも確認されているが、ミマスもそのメンバーに加わることになる。また、

    土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター
  • 食べ物に困るとなんと狩りを始める菌、線虫捕食菌がすごい

    緑色は、真菌のアルスロボトリス・オリゴスポラ(Arthrobotrys oligospora)が、線虫をおびき寄せて捕獲する「わな」。灰色の糸のような線は菌糸体で、菌糸をつくる糸状菌は一般に「カビ」と呼ばれている。(PHOTOGRAPH COURTESY YEN-PING HSUEH) 飢えの苦しみから逃れるため、手も足もない菌に何ができるのだろう? 驚くべきことに、捕者に変身する真菌がいる。アルスロボトリス・オリゴスポラ(Arthrobotrys oligospora)だ。 A. オリゴスポラはほとんどの場合、枯れ葉などを分解して日々をしのいでいる。しかし、栄養不足に陥ると肉性になり、無防備な線虫を捕するのだ。 とはいえ、ほかの捕者と異なり、獲物を追い掛けることはできない。11月21日付けで学術誌「PLOS BIOLOGY」に発表された研究は、A. オリゴスポラが進化させた巧妙な

    食べ物に困るとなんと狩りを始める菌、線虫捕食菌がすごい
  • 百歳超の淡水魚を2種確認、「老化しない」驚きの巨大魚の仲間

    ある研究では、高齢のビッグマウス・バッファローは若い個体より免疫系が強かった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC, PHOTO ARK) 2023年10月20日付で学術誌「Scientific Reports」に発表された最新の研究で、北米の広い範囲に生息するスモールマウス・バッファローフィッシュ(Ictiobus bubalus)とブラック・バッファローフィッシュ(Ictiobus niger)が、100年以上生きることが確認された。 栗色から青系までさまざまな色を持つこの魚は、ほんの数年前まで、20代半ばまでしか生きられないと考えられていた。しかし、2019年の研究で、体重35キログラム近くになることもあるビッグマウス・バッファローフィッシュ(Ictiobus cyprinellus)が112歳まで生きる可能性があると判明し

    百歳超の淡水魚を2種確認、「老化しない」驚きの巨大魚の仲間
  • 冷戦時のスパイ衛星写真で古代ローマの砦を一挙に特定、定説覆す

    ヨルダンの砂漠にあるきわめて保存状態のよい古代ローマの砦、カスル・バシル。機密解除されたスパイ衛星写真を活用した新たな研究により、シリアやイラクの砂漠から、これまで知られていなかった古代ローマの砦跡と思われる遺跡が400カ所近く見つかった。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 機密解除された米国のスパイ衛星コロナとヘキサゴンの写真から、シリアやイラクの砂漠にある古代ローマ時代の砦(とりで)が約400カ所特定され、10月26日付けで学術誌「Antiquity」に発表された。その配置パターンから考えると、砦の目的は定説となっている防衛ではなく、キャラバンによる交易、軍隊の移動、地域の情報伝達など、交流を円滑に進めるためだったという説を論文の著者らは主張している。(参考記事:「CIAが歴史的な「機密地図」の数々を公開」) こ

    冷戦時のスパイ衛星写真で古代ローマの砦を一挙に特定、定説覆す
  • 電気刺激で味覚を変える実験の日本人研究者2人にイグ・ノーベル賞

    人々を笑わせ、考えさせるユニークな研究に贈られる今年の「イグ・ノーベル賞」が発表され、「電気を流した箸やストローで品の味を変える実験」により、明治大学総合数理学部の宮下芳明教授と東京大学大学院情報学環の中村裕美特任准教授が「栄養学賞」を受賞した。日人のイグ・ノーベル賞受賞は17年連続となった。

    電気刺激で味覚を変える実験の日本人研究者2人にイグ・ノーベル賞
  • つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究

    2006年、イラクのアルファルージャで、軍用の金属探知機を膝に乗せ、テトリスをプレイする米海兵隊の兵士。(PHOTOGRAPH BY TOBY MORRIS, ZUMA PRESS/ALAMY STOCK PHOTO) 1980年代に世界的ベストセラーになったコンピューターゲームの「テトリス」を、メンタルヘルスの改善に役立てる研究が進められている。具体的には、テトリスをプレイして、性的暴行や自動車事故、戦争、自然災害、または困難な出産などを体験した後に起こるフラッシュバック(過去に経験したトラウマ的な記憶が自分の意志とは無関係に侵入すること)の回数を減らせる可能性があるという。 世界24カ国で実施した調査によると、人が死ぬところを見たり、愛する人が突然亡くなったり、命が脅かされたりする事故に遭ったりするなどのトラウマ体験があると報告した人の割合は70%を超えていた。だが、その後に睡眠障害や

    つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究
  • 処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見

    かつてアン・ブーリンが所有していた時祷(じとう)書に紫外線を当てると、肉眼では見えない文字が余白に浮かび上がる。運命に翻弄された王妃の時祷書は、1536年に彼女が処刑された後に所在が分からなくなり、1903年ごろに発見された。(PHOTOGRAPH COURTESY HEVER CASTLE & GARDEN) 英国王ヘンリー8世の2番目のであるアン・ブーリンはしばしば「男を誘惑する女」として、また最終的に英国の宗教のあり方が変わる原因となった女性として描かれる。だが実際のブーリンは、教育と宗教改革に身をささげる知的で信仰心のあつい女性だった。 しかし、1536年5月にブーリンが姦通と近親相姦という無実の罪を着せられて逮捕され、処刑された後、ヘンリー8世は彼女のことを忘れようと決意した。ブーリンの紋章は宮殿の壁から取り去られ、きらめく宝石は暗い金庫にしまい込まれ、彼女が所有していた貴重な

    処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見
  • 土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素

    土星の衛星の中で6番目に大きいエンケラドスのイラスト。表面から水蒸気や氷が噴出している。(ILLUSTRATION BY TOBIAS ROETSCH, FUTURE PUBLISHING/GETTY IMAGES) 生命に必須の元素の中で最も希少なリンが、地球以外の天体の海から初めて見つかった。土星の衛星エンケラドスの表面は氷に覆われているが、この氷の割れ目から噴出した氷の粒を土星探査機カッシーニで分析したところ、ついにリンを検出したのだ。論文は2023年6月14日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 リンは地球の土壌を肥沃にする重要な元素だが、研究チームは、エンケラドスの内部海(氷でできた地殻の下にある液体の海)には、地球の海の100倍以上の濃度でリンが存在しているかもしれないと考えている。今回の発見は、木星の4番目に大きい衛星エウロパや土星の最大の衛星タイタンなど、ほかの氷の天体

    土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素
  • ヨーロッパで大流行した「ミイラ食い」のおぞましい歴史

    フランス人画家、ポール・フィリッポトーによる19世紀末の油絵。考古学者たちが、アメン神に仕える女性の神官のミイラの布をとく場面を観察する様子が描かれている。多くのエジプトマニアがいたビクトリア女王時代の英国では、ミイラの布をほどくパーティーは人気の娯楽だった。(Painting by Paul Dominique Philippoteaux via Wikimedia Commons) 15世紀のヨーロッパでは、体調に異変を感じたとしたら、それが頭痛であれ、胃痛であれ、はたまたがんであれ、エジプトのミイラを処方されたかもしれない。 数世紀にわたり、ヨーロッパではミイラが珍重された。しかしそれはミイラの歴史的価値からではなく、薬として効能があると信じられていたからだ。かつてミイラが盛んにべられた、驚くべき理由を解説しよう。(参考記事:「ミイラ巡る黒歴史、薬として取引、見物イベントも」) 「

    ヨーロッパで大流行した「ミイラ食い」のおぞましい歴史
  • 光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す

    植物のタンパク質にレーザーで刺激を与え、その結果起こるプロセスをX線で捉えることによって、科学者らは光合成反応に未知の段階が存在することを発見した。画像はX線で透視したハグマノキの葉。(IMAGE BY NICK VEASEY, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 光合成は地球の生命にとって不可欠だ。生態系の基礎をになう植物は、これによって自らの栄養を得ている。しかし、光合成がどのような仕組みで行われているのかについては、まだ正確にはわかっていない。 今回、ふたつの新たな実験によって、光合成の中でも特に難しい反応のひとつである水の分解における謎の一端が明らかになった。 水の分子が分解されると、酸素が空気中に放出される。「われわれ全員が依存している、あらゆる高等生物にとって不可欠な酸素は、まさに光合成の副産物なのです」と語るのは、米ローレンス・バークレー国立研究所の化学者で、ひとつ

    光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す
  • 薬の名前はなぜヘン? 実は工夫の結晶、知られざる由来とルール

    米国では3万種類の医薬品が販売されており、米品医薬品局(FDA)は毎年50種類の商品名を新たに承認している。(PHOTOGRAPH BY H.ANGELICA CORNELIUSSEN, 500PX/GETTY IMAGES) バイアグラ、ルネスタ、アドエア、パキロビッドなどの処方箋を受け取ったとき、薬の名前はなぜこんなに謎めいているのかと不思議に思った経験がある人もいるかもしれない。新薬の名前は、製薬会社の重役たちが会議室に集まって、適当に無意味な音を口に出したり紙に書いたりして決めているのだろうか。実のところ、それほど単純な話ではない。 医薬品の商品名には、混同による投薬ミスを最小限に抑えるための安全策が施されていることを知ってほしいと語るのは、米ネーミング開発会社ブランド・インスティチュートのスコット・ピアグロッシ氏だ。「医薬品の名前は、膨大な反復作業をもとに、深く考え抜かれた末に

    薬の名前はなぜヘン? 実は工夫の結晶、知られざる由来とルール
  • がんの中にすむ細菌、がんの増殖や転移を助ける仕組みで新発見

    私たちの体の中や表面には無数の細菌が生息しており、そのほとんどが何らかの恩恵をもたらしている。このほど、ある種の細菌が、がん細胞を守っていることが研究により明らかになった。この発見は、がんと闘うための新たな戦略のヒントになるかもしれない。(ILLUSTRATION BY RUSSELL KIGHTLEY, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 人体の中に生息している細菌のほとんどは、私たちの生命維持に役立っている。だが最近の研究から、一部の細菌は腫瘍の中に入り込んで、その増殖や転移を助け、免疫系ががん細胞を破壊するのを困難にしていることがわかってきた。 2022年11月に学術誌「ネイチャー」に発表された研究により、口腔がんと大腸がんの中に生息している細菌は、人間の免疫反応を抑制し、がん細胞がより速やかに広がるのを助けることによって、がんの進行を直接促していることが示された。また、同

    がんの中にすむ細菌、がんの増殖や転移を助ける仕組みで新発見
  • 【動画】サメの胸を正確無比に切り裂き、肝臓だけを食べるシャチ

    シャチがホホジロザメを狩る様子を初めて記録した映像。ほかの4頭のシャチがいる前で「スターボード」がサメの肝臓を取り出している。(解説は英語です) 2023年2月、南アフリカのケープタウンの海岸に19頭のエビスザメの死骸が打ち上げられた。打ち上げられた死骸はすべて同じ状態だった。胸をざっくりと裂かれ、そこから肝臓を吸い出されていたのだ。ほかの臓器は無傷だった。 海岸の近くに住むアリソン・タウナー氏は、サメを殺した犯人がすぐにわかった。まるで外科手術のように正確無比なやり方は、「ポート」と「スターボード」と呼ばれる2頭のオスのシャチの特徴的な手口だ。ポートの背びれは左に、スターボードの背びれは右に曲がっているので、2頭はすぐに見分けられる(ちなみに「ポート」は英語で左舷、「スターボード」は右舷を意味する)。2頭は少なくとも2015年からこの方法でエビスザメやホホジロザメを襲っていて、今回も2日

    【動画】サメの胸を正確無比に切り裂き、肝臓だけを食べるシャチ
  • 食塩に実は隠れた甘さ、塩化物イオンによる味覚を発見

    塩(塩化ナトリウム)はナトリウムイオンと塩化物イオンが結びついている。このうち、ナトリウムイオンは口の味細胞にある塩味の受容体に結合し塩味として感じられるが、一方の塩化物イオンは甘味やうま味の受容体に結合していることが分かった。岡山大学などの研究グループが、メダカやマウスの実験で発見した。ヒトにも、同様に塩化物イオンが結合するタイプの受容体があるという。 ヒトの口の中には甘味、うま味、塩味、苦味、酸味を起こす物質と結合する受容体がある。それぞれの味を起こす物質と対応する受容体の構造が、鍵と鍵穴の関係のようにぴたりと結合して味を識別する。こうして甘味受容体は砂糖、塩味受容体はナトリウムイオンを感知する。糖は塩味受容体には結合しない。この仕組みはヒトや魚類など脊椎(せきつい)動物に共通するという。 ヒトはみそ汁に近い0.8~1%ほどの濃度の塩水はおいしい塩味として感じるが、その10~20分

    食塩に実は隠れた甘さ、塩化物イオンによる味覚を発見
  • 【動画】幻の巨大ダイオウクラゲの撮影に成功、南極海の潜水艇で

    きれいに青く輝く水中で、巨大な影が向かってきた。長さは9メートルほどあり、うねうねした4の腕とドーム状の傘をもつその生きものは、観光客が乗っている潜水艇よりも大きかった。南極のロンゲ島沖の水深80メートルで目撃された驚くべき光景だ。 観光客が旅行会社「バイキング」のクルーズ船に戻り、英エクセター大学の海洋生物学者ダニエル・M・ムーア氏に写真を見せたところ、「信じられないほど珍しいもの」を見たのだと教えてくれた。 幸運な観光客たちが見たのは、「ダイオウクラゲ(Stygiomedusa gigantea)」という幻の巨大深海クラゲだった。1910年に初めて発見されてから、今回の2022年1月の目撃まで、網にかかった個体や遠隔操作の無人潜水機(ROV)がとらえた映像などを含めても、わずか126件しか観察記録がなかった。何千時間もの潜水調査を行ってきた米モントレー湾水族館研究所(MBARI)の科

    【動画】幻の巨大ダイオウクラゲの撮影に成功、南極海の潜水艇で