厚生労働省は、水痘(水ぼうそう)など3種類のワクチンを全額公費負担の「定期接種」にする検討を始めた。接種費用が無料のワクチンが少なく、「ワクチン後進国」と呼ばれる現状を打開するのがねらい。新型の豚インフルエンザの流行で、ワクチンの重要性が浮き彫りになったことが背景にある。 厚労省が新たに定期接種化を検討するのは、水痘ワクチン▽乳幼児の重い細菌性髄膜炎を防ぐHib(ヒブ)ワクチン▽細菌性髄膜炎や肺炎などを防ぐ乳幼児向け肺炎球菌ワクチン。定期接種のワクチンになれば、国の副作用被害救済制度の対象にもなる。 水痘ワクチンはすでに接種が実施されているが自己負担分がある任意接種で、接種率は約3割にとどまっている。ヒブワクチンも昨年末に使用が始まったが、乳幼児向けの肺炎球菌ワクチンは9月末に承認されたばかり。 厚労省は今後、各ワクチンの接種状況を踏まえ、効果を見極めたうえで定期接種化に必要な予防接