「2040年には訪問介護事業所を約5000件増やし、訪問介護員(ホームヘルパー)を約3万2,000人追加確保する必要がある」――。厚生労働省は8月30日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、こんな試算を示しました。20年には約114万人だった在宅介護の利用者は、40年には約152万人に増加すると推計され、事業所とヘルパーの不足が深刻化するという危機感が表れています。 ヘルパー不足はすでに深刻です。求職者1人に対して何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」をみると、21年の全職業の平均が1.03倍だったのに対し、介護の求人は3.64倍。中でも13年度に3.29倍だったヘルパーの求人倍率は、22年度には15.53倍へと急増しています。とくに深刻なのは都市部で、都内では新型コロナウイルス感染症の影響で、21年8月には有効求人倍率が50倍近くになったハローワークもありました。ヘルパーも高齢化し、平