日常の移動はトレーニングも兼ねてランか自転車。この日も自宅のシェアハウスから自転車で ウルトラランナーの飯野航さんが、2020年10月、東海自然歩道を走破した。東京・高尾から大阪・箕面まで、16日17時間27分、総距離1140km、累積標高約30000mに及ぶ壮大な旅だ。 東海自然歩道にはいくつかのルートがあり、さらに現在は台風の被害などで迂回しなければならない箇所もあるため正確な測定は難しいが、現時点で、おそらく国内最速記録といえるだろう。 ゴール間際の階段を駆け下りる飯野さんの足取りは想像以上に軽やかで、とても1140kmを走ってきたようには見えなかった。相当なトレーニングを重ねてきたことがわかる。ゴール直後、飯野さんはこう語っていた。 「しんどいところは今、なにもない。UTMBのスタートに立てと言われたら喜んで立てるくらい。何かが起きたのだと思う」 疲労の影は見えないが、それでも17