いつもと違う場所で風に吹かれた経験は、折に触れて思い出すもの。そんな旅の思い出を各界で活躍するみなさんにうかがう連続インタビュー「心に残る旅」。第9回は漫画家、しりあがり寿さんです。 (聞き手・溝上康基、写真・鈴木厚志) タモリさんの曲『ソバヤ』が大ウケ?! 仕事仲間たちと行ったアフリカ旅行 ――36歳のときに会社員から漫画家へ転身。アニメ制作などアーティストとしても活躍し、創作活動に多忙な中、心に残っている旅の思い出はありますか。 「今から5年前の2014年、仕事の仲間たち7人で行ったアフリカ旅行です。ウガンダからケニア、タンザニアと、東アフリカ3カ国を車で移動した約2週間の旅。設備の整ったホテルではなく、電気も水道も通っていないような現地の民家などに泊まりながらの旅でした」 ――なぜ、そんな過酷な旅をしようと思ったのですか。 「2011年に東日本大震災が発生し、それから数年がたって被害