サイゼリヤは中国やシンガポールなどの海外6法人で約370店舗を運営している。同社の利益に大きく貢献する存在に育った海外事業だが、進出当初は赤字に苦しんだ。その事業を立て直したのはサイゼリヤ一筋で働いてきた「たたき上げ役員」だった。 サイゼリヤが海外事業で稼いでいることをご存じだろうか。同社は2003年、上海に現地法人を設立したのを皮切りに、広州、台湾、北京、香港、シンガポールへと進出し、店舗を拡大してきた。 その結果、国内1057店舗に対し、海外は367店舗にまで増加(17年8月末時点、以下同)。海外店舗(アジア)の売上高は連結ベースで310億円、営業利益は33億円を誇るまでになった。ちなみに、国内店舗の売上高が1172億円、営業利益が77億円。国内にも見劣りしない成績だ。 現在は黒字になった海外事業だが、進出してからは赤字に苦しむ期間が長かった。09年4月に取締役海外事業本部長に就任した