日本人を巻き込むロジック 今年は南京事件の発生から80年目にあたる。 60年目、70年目もそうだったが、今年も、1月早々にアパホテルの騒動が起き、7月(盧溝橋事件の発生月)や12月(南京事件の発生月)に向けてますます過熱しそうな気配である。 それにしても、南京事件をめぐる議論はなぜいつもこんなに揉めるのか。 その一因は、南京事件が、日本人全員をひとしく歴史の当事者にすり替え、巻き込んでしまう点にある。 「日本人としての責任はどうする」「日本人として反論しなくていいのか」。こういわれると、なかなか冷静でいられないし、どうしても身構えてしまう。これは歴史問題全般にいえることだが、残虐行為が伝えられる南京事件はことのほか感情を逆なでする。この手のロジックから逃れるのは容易ではない。 当事者だと思ってしまうと、利害を考えざるをえないし、政治的な「結論ありき」「数字ありき」の議論さえ真剣に参照されう
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