ロシアによるウクライナ侵攻は、ウクライナの抵抗や欧米の支援と制裁もあって、ウラジーミル・プーチンが当初想定した通りには進んでいない。 絶対的な自信を持ったロシアが相手の力を見誤って、戦争が泥沼化した例は初めてではない。特に1904〜1905年の日露戦争の状況と今回の状況は似ていると、インテリジェンスが専門の歴史研究者、デイヴィッド・ジオーは指摘する。 この戦争がロシアの権力基盤に与える影響は大きく、プーチンは今後、日露戦争後のニコライ二世と同様、大きな試練に直面することになるかもしれない。 戦況が似ている2つの戦争 拡張主義的感情にとらわれ、領土をめぐる隣国との無分別な戦争に乗り出した際のロシアは、自国が勝ちを収めるものと絶大な自信を持っていた。 絶対君主同然に国を治め、隣国を見下していたロシアの元首は、自国の利益が脅かされている、そしてロシアはもっと大きな影響力を持ち、もっと敬意を払われ