戦国時代の主役は誰かと聞かれれば、おそらく多くの人が織田信長の名前を挙げることでしょう。そして、その信長を最も苦しめた存在は何かとなると、歴史に比較的詳しい人ならば、武田信玄や上杉謙信といった有名どころの武将を押し退けて「一向一揆」の名を挙げるのではないでしょうか。 信長と一向一揆の抗争は10年以上も続き、信長は弟を含む多くの重臣を失いながらも、決定的な勝利で屈服させることはできませんでした。その決着も、信長に有利な条件とはいえ、和睦という形でついています。 事実上、天下を取りつつあった信長を最も苦しめたのが一向一揆です。ところが、多くの講談や解説にその名が登場するものの、一向一揆自体を主題とした解説や評論はその歴史的影響力に比べ少ないと言っていいでしょう。 そこで今回から3回にわたって、戦国時代における一向一揆の実像について解説していきたいと思います。初回となる今回は、戦国時代初期に浄土
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